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【漫画】魔法学校の優等生がドラゴンの“アレ”を見に行く!? 意外な熱い展開が話題の『ミムムとシララ』

2021年11月08日 12:01  リアルサウンド

リアルサウンド

『ミムムとシララ~ドラゴンのちんちんを見に行こう~(1)』

 漫画サイト「くらげバンチ」(新潮社)で連載中の漫画作品『ミムムとシララ ~ドラゴンのちんちんを見に行こう~』の単行本第1巻が10月8日に発売された。一見驚くタイトルの本作だが、魔法学校で優秀な成績を修めるミムムとシララの飽くなき探究心を、熱くピュアに描いたファンタジー作となっている。


 しかし、一体どのようにしてドラゴンのそれを見に行こうという、突飛に思える設定が誕生したのだろうか。原作を担当する端に、本作を描いたきっかけを聞いた。(とり)


関連:『ミムムとシララ ~ドラゴンのちんちんを見に行こう~』第1話はこちら


■藤田和日郎の影響


――まず、本作が生まれた経緯を教えてください。


端:何かきっかけがあったというよりは、今までの漫画、アニメ作品にはなかった設定を考えていたときに辿り着いたのが「いろんな生物のあれを見に行く」ということだったんですよね(笑)。この設定だったら、面白い漫画が描けそうだなって。


――確かに斬新な設定ですよね(笑)。その設定に辿り着くまでに影響を受けた漫画やアニメは何かありますか?


端:もともと好きだったのが九井諒子先生の『ダンジョン飯』という漫画。いろんなモンスターを調理してダンジョンを駆け抜ける冒険ストーリーなのですが、あらゆるモンスターを題材にストーリーを作っていける設定は画期的ですし、アレンジ方法も無限大じゃないですか。その影響はかなり受けている気がしますね。あとは、RPGの影響で異世界生物や神話にも興味がありましたし、生き物の生態を調べるのも好きだったので、それらを突き詰めた結果とも言えますかね。


――毎話登場しているさまざまな異世界生物は、どのようにして決めているんですか?


端:神話を読んだり、いろんな動物の生態を調べたりして、ストーリーに落とし込みやすそうなモチーフを選んでいく感じですね。1巻はドラゴンやユニコーンなど、比較的有名なモンスターが登場していますが、今後はもうちょっとマイナー気味な生き物も登場する予定です。


――今後の展開も楽しみです。ちなみに「くらげバンチ」への掲載はどのように決まったんでしょうか?


端:第一話が描けたタイミングで、自ら「くらげバンチ」さんに持ち込ませていただいたんです。そしたら、まず読み切りで掲載していただけることになって。ありがたいことに読者の方からの評判も良かったので連載という形で続けることになりました。


――タイトルにつられて読んでみたら、想像以上に熱いストーリーでどんどん引き込まれました。いち読者として、好評なのも頷けます。


端:ありがとうございます。昔から漫画を読むのが大好きで、友達と同人サークルを作って漫画を描いていたこともありました。漫画家になりたい気持ちはずっとあったものの、積極的には動けていなかったので、こうして単行本まで出させていただけたのが夢のようです。改めて、漫画家になりたかった自分の気持ちに気付けたというか。本当に嬉しいですね。


――昔から漫画好きとのことですが、これまで読んできた漫画のなかでいちばんを選ぶとしたら何ですか?


端:藤田和日郎先生の漫画はかなり読んできましたね。何なら、藤田先生の漫画に出会わなければ、今こうして漫画を描いていなかったかもしれません。『からくりサーカス』とか『うしおととら』とか。最近連載が終了した『双亡亭壊すべし』も面白かったですね。藤田先生の漫画は、共通して、完結までの展開が最高なんですよ。なかだるみすることなく、ずっと夢中になれるんです。もうずっとファンですね。


――あぁ、藤田先生がお好きなの、納得です。本作も、軸は異世界生物の生態調査ですけど、ミムムとシララの探究心や熱量って、ある種、藤田先生の漫画にある熱さと似ていますよね。


端:本当ですか? そう言っていただけるなんて、恐縮です。ただ僕自身ひとりの漫画好きとして、作品の完成度や描き方の巧妙さにグッとくることが多いので、自分が描く際も、そこに真摯に向き合いたい気持ちはありますね。藤田先生が描く登場人物の熱い心情が好きだからこそ、本作も熱のこもった作品にしたかったですし。


――読ませていただいて、その熱はすごく伝わってきました。単行本の帯にある「完全に健全な知んの探求者だ」っていう桑原太矩先生の言葉がまさしく本作の見どころを要約していますよね。


端:タイトルだけ見ると「下品な漫画でしょ」と思われるかもしれません。でも、意外とそうじゃないんですよね。僕も、基本的には熱いストーリーの作品が好きですし、本作でも過度にふざけすぎないよう、熱量を持って描くことを意識しています。なので、まだ本作を読んでいない方には、勇気を出して1話だけでも読んでみてもらいたいですね。