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マツダ製アウトドア系SUVは待望の1台? 「CX-5」に特別仕様が登場!

2021年11月08日 11:41  マイナビニュース

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画像提供:マイナビニュース
マツダは主力SUV「CX-5」に商品改良を実施する。注目すべきは、新たに登場する2種類の個性的な特別仕様車。そのうちの1台である「フィールドジャーニー」は、マツダ車のイメージを変える(かもしれない?)アウトドア仕様だ。この1台がマツダファン拡大の起爆剤になるかも?


○選択肢が充実! 見た目の好みで選んでOK



CX-5の現行モデル(第2世代)が発売になったのは2017年のこと。今回の商品改良でマツダはCX-5のグレード体系を整理し、新たに「フィールドジャーニー」(Field Journey)と「スポーツアピアランス」(Sports Appearance)の特別仕様車2車種を追加する。


これでCX-5のグレードは、基本的にはベース(最安値)となる「スマートエディション」(Smart Edition)、中級グレードの「プロアクティブ」(プロアクティブ)、上級グレードの「Lパッケージ」(L Package)の3段構えとなる。プロアクティブの価格帯にスポーティーな特別仕様車「ブラックトーンエディション」(Black Tone Edition)とアウトドア志向の「フィールドジャーニー」が並び、Lパッケージのラインにブラックトーンエディションの上級版である「スポーツアピアランス」とCX-5の最上級バージョンとしての「エクスクルーシブモード」(Exclusive Mode)が加わるイメージだ。改良後のCX-5は267.85万円~407.55万円。ベースとなるCX-5と特別仕様車には、基本的に性能の差はない。見た目が気に入ったものを選べばOKだ。


○マツダ待望の1台! 「フィールドジャーニー」の可能性



注目したいのはフィールドジャーニーだ。このクルマ、今あるマツダ車とはちょっと毛色が違う。シックかつクールなマツダのクルマは都市を疾走するとものすごくさまになるものの、山や川に連れ出すには美しすぎるというのか、「汚したくない」と思わせる部分があった。そのせいでアウトドアブームに乗り切れず、ギア感のあるクルマの人気をうまく取り込めていなかったのではないかと想像できる。こうした需要に、フィールドジャーニーであればある程度は対応できるのではないだろうか。


フィールドジャーニーの特徴を見ていくと、まずは見た目として、フロントグリルや内装の一部にライムグリーンのアクセントが入る。タイヤは17インチのホイールとオールシーズンタイヤを標準装備。ラゲッジルームにはリバーシブルのボードを搭載しており、裏側は防水仕様となっている。走行面では「オフロード・モード」が選べる。


CX-5は2世代目へのフルモデルチェンジで都会派SUVとしての個性を強めたが、結果として、道具感や使い勝手のよさというSUVならではの価値は、初代CX-5に比べてイメージしづらくなっていた。そのため、初代CX-5ユーザーの中には、2代目への乗り換えを躊躇している人もいるそうだ。フィールドジャーニーはマツダにとって、新規客との出会いのきっかけにもなりそうだし、初代CX-5ユーザーに乗り換えを促すことのできる後継車としての意味も持つかもしれない。少なくとも、CX-5の選択肢が充実したのは朗報だ。



ただ、気になるのは「マツダ製アウトドア系SUV」の出来栄えだ。そもそもマツダに、こうしたクルマを作りたいという機運はあったのだろうか。マツダ社内に、この手のクルマを作りたがっていた技術者はいたのだろうか。もしもこのクルマが、アウトドアブームを視野に無理やり作った商品なのだとしたら、出来栄えには期待できない。



そのあたりについてCX-5開発主査の松岡英樹さんに聞くと、答えは「みんな、うずうずしていたみたいですね(笑)」というものだった。マツダには、「アウトドアに振ったクルマを作りたい!」と思う人々が結構いたらしい。



「マツダが作っているクルマは『洗練方向』だったので、あえて強くは主張していなかったみたいなんですけど、(フィールドジャーニーを作ろうと)いざ集まってみると、結構いたことが分かりました。例えば荷室にしても、キャンパー、釣り師、サーファー、サイクリストといった面々が集まり、ガヤガヤやりながら作っています」(松岡さん)


コロナの影響は出ているものの、CX-5は月販2,000台程度と堅調に売れているとのこと。内訳としてはブラックトーンエディションが約30%、エクスクルーシブモードが約20%と販売の主力になっている。商品改良後は台数に勢いを付けたいというのがマツダの考え。販売の内訳はエクスクルーシブモードが約2割、スポーツアピアランスとフィールドジャーニーが各15%という予想だ。(藤田真吾)