トップへ

アニメ化でファン急増 『小林さんちのメイドラゴン』聖地巡礼してみた!

2021年11月05日 10:01  リアルサウンド

リアルサウンド

『メイドラゴン』聖地巡礼してみた!

 皆さんの自宅にメイドさんはいるだろうか。もちろん筆者の自宅にはいない。しかし、小林さんの家にはいるのだ。料理上手、可愛らしい外見、おまけに人外と属性マシマシのメイドさんが。


 クール教信者による『小林さんちのメイドラゴン』を一言で表すならば、笑いあり涙ありほのぼのありの異種族ハートフルコメディだ。物語は本作の主人公である小林さんが会社に出勤するシーンから始まる。


小林さんちのメイドラゴン : 1 (アクションコミックス)

620円

Amazonで詳細をみる

 前日は仕事の鬱憤を晴らすべく、小林さんは夜遅くまで飲み屋をはしごしていた。「また憂鬱な1日が始まる」と玄関を開けるとそこには、本作のメインヒロインならぬ“メインドラゴン”のトールが立っていた。お酒を飲みすぎてドラゴンをメイドとして雇う約束をしてしまったのだ。皆さんもお酒の飲み過ぎには注意してほしい。


 そんな異種族ハートフルコメディの舞台が埼玉県にあることはご存知だろうか。緊急事態宣言が解除されたタイミングを見計らって、筆者は物語の舞台である埼玉県越谷駅周辺で取材を行った。いわゆる、聖地巡礼である。


 それでは小林さんファミリーが大活躍している舞台を紹介していこうと思う。まずは越谷駅周辺だ。物語の舞台である「朧塚」は東武スカイツリーライン越谷駅をモデルにしている。


 越谷駅には西口と東口があり、西側は小林さんが引っ越しをする前、東側は引っ越し後の舞台となっている。まずは西口から紹介していこう。小林さんとトールが買い物をする「朧塚商店街」は、現実には存在しない。西口を出てロータリーを左側に進んだ先にあるマンションとマンションの間に道があるだけだ。


 この入り口の右側にとても良い雰囲気のカフェがあった。こちらもモデルとなっている。


 朧塚商店街の入り口とされるマンションを横目に直進すると、T字路が見えてくる。アニメ第1話で描かれている交差点だ。


 小林さんとトールが並んで買い物に行くシーンである。この信号の奥にある建物にはかつて「どん」というお店が入っていた。しかし、取材時には別のお店に変わっており、何やらお洒落なイタリアンのお店になっていた。筆者が訪れた時はまだ開店していない時間だったが、間接照明がお洒落な隠れ家的な居酒屋のようだ。筆者も機会があれば訪問したい。


 それでは駅の反対側、東口に移ろう。アニメ第2話では、この看板の前でトールと2人目の同居ドラゴンのカンナが話し込んでいる。左奥にあるポストやバスロータリーも描かれている。


 東口は西口と比較して緑が多い区画だ。作中には名前こそでなかったが、越谷には元荒川と言う河川がある。この河川は度々作中に登場する。ロータリーを抜け駅から離れるようにして歩いて行くと、橋が見えてくる。


 トールと過激派ドラゴンのファフニールが歩きながら会話をしているシーンのモデルの地だ。


 ファフニールも朧塚に住むとことになり、必要な手続きをするため役所などを巡っていた。しかし、ドラゴンは現金を持っていない。そのため、ファフニールは自前のお宝を担保に部屋を借りようとするが、もちろん借りれる訳がない。困りながら2人が河川敷を歩いて行くシーン。諦めて家を奪おうとした時、ファフニールの窮地を救った人物は、小林さんの同僚である滝谷だった。なんと滝谷はドラゴンとの同居を二つ返事で承諾したのだ。


 この漫画の世界の会社員はどこまで器が大きいのだろうか。今では過激派ドラゴンをファフ君と親しみをこめて呼び、ファフニールもこれを許している。ちなみに日本でのファフニールの名前は「大山猛」である。


 最後は公園を紹介する。作中では、公園のシーンが複数登場する。小学校に転入したカンナは、独特のキャラクターと可愛らしい外見ですぐにクラスの中心的存在となる。そのことで同級生である才川リコに絡まれてしまう。


小学生でありながら女王様気質で煽りスキルに優れていたことから、クラスメイトから若干煙たがられていた才川だったが、カンナと友達になってからはカンナに対してだけちょっと行き過ぎた(?)愛情表現を示している。そんな2人が仲良く帰る通学路の途中にある公園が東越谷ボタン公園だ。


 奥にある特徴的な滑り台や真ん中のベンチが描かれている。この公園はアニメ第4話でドッジボールをした場所でもある。カンナと才川が帰宅途中に公園に寄ると、上級生がドッジボールをしていた。そこで言い争いになり才川が煽った結果決闘に発展した。人望がないため同級生は集まらなかったが、ドラゴンを4人並べて上級生たちを蹂躙したシーンだ。


 種族が違うと文化も異なる。犬や猫とは違い日本語は話せるが、価値観が違いすぎるドラゴンと生活を共にする小林さん。『小林さんちのメイドラゴン』は現実社会でも頭を悩ませるコミュニケーションの難しさを再認識する物語だ。


 多様性が謳われている昨今、大切なのは小林さんとドラゴンたちのようにお互いを尊重しつつ、一定の距離感を保つことではないだろうか。聖地をめぐりながら、作中で必ずしも描かれない“日常”に思いを馳せるなかで、そんなことを考えさせられた。


 皆さんも会社で嫌なことがあったら、電車で遠くまで行ってみてはどうだろう。運が良ければ、素敵な出会いがあるもしれない。