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2022年型F1マシンの開発が進行中。チームからのフィードバックに「懸念すべき材料はない」とロス・ブラウン

2021年11月04日 16:21  AUTOSPORT web

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2021年F1第10戦イギリスGPの木曜日に発表された2022年型マシンの実寸大モデル
F1のモータースポーツ担当マネージングディレクターであるロス・ブラウンは、各チームが進めている2022年の新型マシン開発について、F1の新レギュレーションに照らして警報ベルを鳴らすような問題は生じていないと語った。

 各チームの2022年型マシンはF1の新しい技術規則に則って設計されるが、開発作業はかなり進んでいるようだ。グラウンドエフェクトや、フロントおよびリヤウイングから生まれるダウンフォースの減少を踏まえた新型マシンの空力スペックによって、理論上はドライバー同士のさらなる接近戦が可能になるので、結果としてオーバーテイクの機会が増え、コース上のショー的魅力も増すはずだ。

 先日、マクラーレンF1のランド・ノリスが、シミュレーター上で経験したチームの2022年型マシンについて第一印象を「ドライバーにとってはまったく別物というべきマシンだ。あまりいい感じではないね」と語った。フェラーリの2022年型マシンをかなり長時間にわたってシミュレーターで走らせたシャルル・ルクレールも、来年のマシンについて「非常に異なる感触」だと述べている。

 しかしブラウンは、2022年型マシンに取り入れられる新レギュレーションや仕様に照らして懸念されるべきフィードバックは、どのチームからも上がっていないと主張している。

「これまでのところ、懸念すべき材料は出ていない」と、ブラウンは月曜日にメディアとの電話会見で語った。

「各チームとも、大変協力的にそれぞれの作業状況をFIAと共有してくれている。FIAとして警報ベルを鳴らすべき問題は見出していない」

 しかしながら、ブラウンは2022年型マシンの本質について、あくまでもフルスケールのモデルをコース上でテストしてみなければ明らかにならないものだとも述べた。

「実際のマシンをコースで走らせれば、我々としても評価できるようになる」

「私はマシンについても、新規則を踏まえてピレリが行っている18インチタイヤの開発作業についても、楽観的でいる。パッケージ全体について楽観的だ」

 また2022年には18インチタイヤが導入され、安全性に関する様々な要素が取りいれられるため、F1の次世代マシンは重量が大幅に増加する。最低重量の基準値は40kg増えて792kgとなるが、これは2014年にハイブリッドエンジンが導入されて以降、F1では最大の上げ幅となるものだ。

 しかしF1のテクニカルディレクターを務めるパット・シモンズは、コースによって異なるものの、ラップあたり0.5ないし2秒のロスが生じるだろうと予想する。ブラウンによると、2026年まではF1はこの重量増加を受容しなければならないともいう。より小型かつ軽量のマシンを実現させるべく、その年に次世代エンジンを導入する予定だからだ。

「我々は、新しいパワーユニットを2026年に導入したいと考えている」とブラウン。「それによって新しいマシンが開発される」

「これは、『重量は減らせるだろうか?』という問いにかかわる目標の一部だ。ハイブリッドマシンや近年F1マシンに求められている安全への取り組みを考慮すれば、努力を要することだ」

「より軽量のマシン、すなわち、より小型のマシンは可能だろうか? 我々は可能だと信じている。2026年に向けてより小型のマシンを実現できる可能性は非常に高いと考えている」