大規模な洪水のなか、子猫が濁流にのまれ生死を争う緊迫の状況に陥っていた。そこに偶然通りかかった夫婦が子猫に気付き、男性は迷うことなく子猫の救助を開始した。腰までの深さがある濁流から子猫を無事に救出した男性は、子猫を引き取って家で世話をすることにしたという。『ABC10』などが伝えている。
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10月24日深夜から25日の朝にかけて、米カリフォルニア州北部は大雨に見舞われて大規模な洪水が発生した。同地域サクラメント在住のスキップ・キャンベルさん(Skip Campbell)は、妻ナンシー・スティンソン・キャンベルさん(Nancy Stinson Campbell)とともに近くの公園「Cottage Park」の水位をチェックするために訪れた。
しばらく歩いていると、ナンシーさんが「微かに奇妙な音が聞こえる」と言い出した。スキップさんが耳をそばだてながら周囲を見渡してみると、濁流の中で浮いたり沈んだりしている子猫の姿を発見したのだ。
子猫は必死にもがいて頭を水面に出そうとしているが、激しい流れの中ではそれも難しいようで、子猫はいつ沈んでしまってもおかしくない状況だった。
子猫の危機的状況を見たスキップさんは、すぐさま救助活動を開始した。救出の様子を捉えた映像には水深3.5フィート(約1メートル)ほどもある濁流を、身長6フィート(約183センチ)のスキップさんが腰まで浸かりながら突き進む姿が映っている。濁流は左から右に流れており、画面中央付近に消えたり現れたりする子猫の黒い影もわずかに確認できる。
スキップさんは子猫が流れてくる位置を予測し、前に進むのもやっとの状況でなんとか下流側にスタンバイした。そして流れてきた子猫に狙いを定め、左手でサッと掴んで無事に救い出すことができた。スキップさんは噛まれたり引っかかれたりしないように、首根っこを掴みながら陸地へ戻ってきた。
スキップさんは「子猫は疲れ切っている様子で、もがいている様子もありませんでした。恐らく助けてもらえると思って準備していたのだと思います」と当時を振り返っている。救出当時はびしょ濡れでみすぼらしい姿の子猫だったが、乾かすとフワフワのグレーの毛並みが可愛らしい子猫へと変貌を遂げた。
そんなスキップさんの救出映像を見た人々からは、「子猫が助かって本当に良かった」「スキップさんはヒーローだよ」「多くの人は同じ状況でも水の中には入って行かないと思う。スキップさんは心の優しい人だ」など称賛の声が続出した。
なおスキップさんはこの子猫を“ストーミー(Stormy)”と名付けて、すでにいる1匹の保護猫とともに一緒に暮らすことにしたそうだ。
画像は『ABC10 2021年10月25日付「WATCH: Sacramento man saves drowning kitten from flooded stream」(Credit: Skip Campbell)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)