英語が完全にダメではないけれど、英会話には自信がない。そんな人が「英語で就職面接」となったとき、どんな心構えで挑めばいいのだろうか? ビジネス英語トレーナー・そのはたちえこさんが解説する。
1)準備すること
必ず聞かれる質問については、答えを準備してください。例えば、「自己紹介」「なぜ転職したいのか」「なぜその会社を選んだのか」などです。
答えは短くてもいいので、理由をしっかり話せるように用意しましょう。どんな言葉遣いをしたらいいのか、まったく見当がつかないという人は、ネットで「英語 面接 質問」などで検索すると、質問・回答例なども出てきます。
2)予想外の質問への対応
次に「予想外の質問」への対応です。
あるアメリカ人マネージャーは「仕事でこのような状況になった時、あなたならどうやって対応しますか?」という質問を、毎回しているそうです。
このように、事前準備ができない質問をされたときにどうするか。まずは「沈黙しないこと」。Let me see... とか、Hmm... など、「えーと、今、考えてます」というポーズを見せてください。
即答できなくても、絶対にI don't know. で終わらせてはいけません。「あいにくその経験はないですが、私ならこうすると思います」など、何か意見を言いましょう。英語力は完璧でなくても構いませんが、質問に「答えられない」のはマイナスになります。
3)自分からも質問しよう
面接官に聞きたいことも、いくつか準備しておきましょう。相手からの質問に答えるだけだと、面接官に「うちの会社に興味がないのか」と思われてしまいます。そこで働きたいなら、職場のことが知りたいはずだからです。
例えば「この会社で活躍する人に共通する特徴は?」「人事評価はどういう仕組みなのか」「同じチームで働く人たちはどんな人か?」などなど、気になることはあるでしょう。そういう質問を用意しておいてください。
ただし、一般に年収についての質問はNG、とされていますので気をつけてくださいね。相手から「希望の年収は?」と聞かれない限り、こちらから尋ねない方がよい、と言われています。
4)自信をみせる
たとえ英語力がイマイチでも、相手に「貢献してくれそう」「経験がありそう」と思ってもらえれば、面接としては成功です。
そういった印象を決定づけるのは、話す内容だけではなく、面接中の目線や握手の時の態度など、何気ない仕草だったりします。
手元に書いたメモを見るためにずっと下を向いたままだったり、もごもご話したり、視線がうろうろしていては、頼りない印象を与えてしまいます。
多少、英語が拙くても、相手に目線を合わせ、うなづいたり手振り身振りを加えて話していれば「英語はともかく、仕事にはプロとしての自信があるんだな」と思ってもらえる可能性が高まります。
5)話し方に3つの「P」を取り入れる
事前に準備した回答を伝えるとき、棒読みでは台無しです。話すときはPace, Power, Pitchの三つのPを意識してみてください。Paceは話すスピード、Powerは声の大きさ、Pitchは声のトーンです。
練習はスマホやPCで「録音」「録画」して、見返してください。自分が画面を見ずに話していることに気がついたり、口ごもっているなあと分かったり、意外な発見があります。
オンライン面接では「カメラを見て話す練習」も必要です。皆さんよくお分かりでしょうが、オンライン会議の場合、相手の顔が写っているモニターを見ていると、どうしても目線が下になりがちですね。
面接の際は意識して「カメラ」をみるようにしてください。そうすると、相手からはあなたが「目を見て話してくれている」ようにみえるので、印象が良いです。
そして、結果的にうまく話せなくても、「準備・練習してきた」という姿勢が見せられれば、少なくとも誠実さ、真剣さはアピールできます。最後まであきらめずに練習してみてください。
【プロフィール】
そのはたちえこ
ビジネス英語トレーナー。外資系企業でのマネジメント経験を活かした、現場目線でのビジネス英語講座が好評。モットーは、「ビジネス英語は、"中学英語+αで十分!"」。2021年より株式会社マーケティングフルサポートにて「オンライン英語コーチの学校」の講師を担当。