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職場初「フルタイム・営業職」での復職、周囲から不満を持たれない?

2021年10月31日 15:41  マイナビニュース

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画像提供:マイナビニュース
●今回のモヤモヤ「フルタイム・営業職での復職に不安」
連載「ワーママのモヤモヤ整理します」は、託児付きランチサービス「ここるく」の経営者であり、大手企業の社外取締役としてもダイバーシティを確保するための人材育成・環境整備などに取り組む山下真実さんが、ワーママが抱えるモヤモヤに寄り添い、気持ちを整理していく企画です。



19回目の相談者は、損保会社の営業職として働いているさおりさん(33歳)。現在育休中で、来年の春にはフルタイム・営業職での復職を果たしたいと考えていますが、職場では前例がなく周囲から不満を抱かれないか不安を抱えているといいます。

○今回の相談者さんのモヤモヤはこちら

前例がない中で新しいチャレンジをすることは、誰にとっても勇気がいるもの。周囲の協力を得て理想的な働き方を実現するためには、どのようなことを意識したらいいのでしょうか?


●山下さんからのアドバイスは……?
○山下さんからのアドバイスは……?


「フルタイム・営業職での復帰」=「周囲から不満を持たれる」、ではないかも!? 働きたい・働ける見通しが立っているならば、まずはチャレンジを。周囲への気遣いは別問題として考えて。


山下さん: 職場ではいろんな立場の人が、それぞれの思惑、それぞれのやりたいこと、目標を持って働いています。ですから、さおりさんのように新しい働き方を実践しようと"いい意味で"目立つ存在は、風当たりが強くなりがちです。



しかし、今は女性がどんどん組織の中核メンバーを担っていく時代。それは社会的にも求められていることで、経営者の視点からすると「どんどん事例を作って、どんどん目立って、集団を引っ張っていってほしい」と思っているのではないでしょうか。

また、フレックスやリモートワークの制度を使うことにさおりさんがネガティブな感情を持ってしまっているとしたら、それはさおりさんの責任ではなく、制度を作った側の課題です。制度があるのであれば機能させないと失敗なわけで、そこは大手を振ってフル活用してもらえばいいと思います。



さおりさん自身、フルタイムでも今の営業のポジションでも仕事を続けられるというレース展開が見えているのであれば、まずチャレンジしてみては? やってみて難しいと感じたら、時短勤務に切り替えるという手もあります。



ただ「フルタイム・営業職、フレックスとリモートワークを駆使して復帰すること」と、「周囲から不満を持たれてしまうこと」は別問題なのかもしれないと思いました……いかがですか?



さおりさん: 実は今回の件に限らず、"周りと調和が図れていないのではないか"という不安・課題は働き始めてからずっと感じてきました。私はあまり人と同じやり方をするのが好きではなく、これまでも新しいやり方を見つけては実現していく仕事のスタイルをとってきたんです。ですから、自分の担当業務領域における評価はいいのですが、"我が強すぎる"という評価も同時にいただいていて……。



新しいスタイルを実践しながら、周囲とも調和を図れるような、もっとうまいやり方があったんじゃないかなと産前の働き方を振り返ってみて思うことがあります。


●復職を『自分リニューアル』のチャンスと捉えよう!
○復職を『自分リニューアル』のチャンスと捉えよう!



山下さん: さおりさんご自身からそのような言葉が出るのだとしたら、復職を"社内での風当たり"みたいなものと向き合うチャンスと捉えてもいいかもしれませんね。



復職後は、"周囲と調和を図れるさおりさん"へ変わったのだと、リニューアル感を打ち出してみては?



昨日と今日で急にさおりさんのキャラクターが変わったら周囲もびっくりしてしまうけれど、産後の復職であれば「人間的にも心境の変化があったのかもしれない」と自然に受け止めてもらいやすいと思います。



さおりさん: 正直、産前は新しい仕事のやり方に周囲から不満を抱かれても「上げた拳は降ろせない」みたいなところがあったのですが(笑)、確かに復職後はそれがしやすい環境かもしれません。

山下さん: そうですね。とはいえ、新しい事例を作って周囲の人に影響を与えられるというのはやはりさおりさんの大きな強みです。その強みを大事に、自分の不得意なところも見つめられたらさらに魅力的だと思います。



それからなんでも1人で抱え込まず"周囲に頼る"という視点も大事にしてみましょう。例えば不安に感じていらっしゃる保育園も、"子どもを育てる専門組織"として頼ったらいいと思うんです。



もちろん、明らかにお子さんが寂しさを感じていてケアが必要だというときは働き方や関わり方を変える必要があるかもしれません。でもそうでないのであれば、家庭ではできないような関わり合いをしてくださる保育士さん、お友達との関係はお子さんにとっても大切な財産になります。



仕事上でも、苦手な部分は周囲に頼るという選択肢だってあります。フルタイム・営業職での復職、絶対にやってやれないことはないですよ、応援しています!


○山下真実


株式会社ここるく 代表取締役・社会起業家・2児の母。

米国留学によるMBA取得、米系投資銀行・金融コンサルを経て、ママになったことをきっかけに子育て支援という全くの新領域へ。人気レストランから選べる託児付きランチサービス「ここるく」を2013年にスタート。サービスを通じて集まる働くママのインサイトと、MBA・コンサルで得た専門知識の両面から、ママ向けサービス開発や育休復帰・働き方改革コンサルティングなども手掛ける。『第14回女性起業家大賞』、三菱UFJ銀行主催『Rise Up Festa』最優秀賞受賞。


○比恵島由理子


イラストレーター、2児の母。早稲田大学を卒業後、一般企業に就職するもデザインの道を志し、東京デザイン専門学校で学ぶ。編集制作プロダクションで実用書を中心とした書籍編集・イラスト制作を経験した後に独立。現在はWebメディア向けに活動中。自身の出産体験や子育てについてnoteに掲載している。