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ゴミ収集員の恐怖「使用済みPCR検査キットが無造作に」 コロナ禍の「ゴミ出し」マナーとは?

2021年10月31日 09:31  弁護士ドットコム

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新型コロナウイルスは感染者数が下火になったものの、冬になって「第6波」が到来する可能性も懸念されている。弁護士ドットコムニュースのLINEには、感染が落ち着いている今だからこそゴミの捨て方を見直してほしいと、ゴミ収集の作業員として働く男性から意見が寄せられた。


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男性いわく、今年7月ごろから始まった第5波中、ある居住施設のゴミ捨て場に使用済みのPCR検査キットが大量に捨てられていたという。家庭から出たゴミ袋にも、マスクやティッシュが無造作に入れられていることが多く、恐ろしい思いをしたそうだ。



「飲食店やイベントなどが取り沙汰されていますが、ゴミ問題について触れられることがあまりないまま、今まで来たように感じます。ゴミの捨て方がおざなりになっています」(男性)



コロナ禍のゴミ捨てについては、環境省や自治体が呼びかけをしているが、その通りにゴミ捨てができていると自信を持って言える人は少ないのではないだろうか。改めて確認しておきたい。



●ゴミ袋の空気は抜いて

環境省が2020年9月に発表したコロナ禍におけるゴミ捨てのガイドラインでは、ゴミに直接触れないように、▼袋の口をしっかり縛って封をすること、▼ゴミ収集車の中での破裂を防ぐため、ゴミ袋の空気を抜いておくこと、▼作業員がゴミ袋を開封しなくても良いように分別・収集ルールを守ること――などが推奨されている。



このガイドラインなどを受けて、各自治体も適正な処理の仕方を周知している。たとえば、東京都港区は、使用済みのマスクやティッシュなどについて、ビニール袋に密閉してからゴミ袋に入れるよう呼びかけている。



では、PCR検査キットはどうか。環境省によると、「血液等が付着している鋭利なもの」や、新型インフルエンザ等感染症などの「治療、検査等に使用された後、排出されたもの」​​などは、廃棄物処理法上の「感染性廃棄物」になる。医療機関等を念頭に置いた規定だが、家庭から排出されるものも対象になるという。





ただし、PCR検査キットについては、明確な決まりはなく、自治体の判断に委ねられているという。調べてみると、針がついていないものについては燃えるゴミとして扱う自治体が多く、使用したキットをビニール袋などに入れ、ウイルスの感染力がなくなるとされる4日間保管してから燃えるゴミとして出すよう周知している自治体が複数確認できた。





だが、前出のゴミ収集員の男性によると、こうした捨て方が一般家庭などに浸透しているとは言い難く、無造作にゴミ袋に入れられていることが多いという。第5波では病床が逼迫し、大量の自宅療養者も生じた。ゴミ回収に従事する人たちの多くが「危険」にさらされていたというのが実態のようだ。



「ゴミは至るところで日々発生しています。そこには日々収集し、運搬処理する人間が携わっています。少しでも捨て方に配慮いただけるとありがたいです」(男性)



環境省の担当者は、「ゴミの捨て方は市町村によっても違うことがあります。自治体のウェブサイトや広報などを改めて確認いただければ」と話している。