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立憲民主党・江田憲司氏「NISAに課税」発言が波紋 → 枝野代表が火消しツイート

2021年10月29日 15:30  キャリコネニュース

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立憲民主党の江田憲司・代表代行が、10月28日夜に放送されたBSフジLIVEプライムニュースで、高所得者層の税負担について、株などで得た利益・配当などにかかる税金を「20%から、国際水準並の30%に上げる」と発言した。

キャスターから「NISAとか少額で、低所得者が積み立てている株式運用についてもですか?」と問われ、江田氏は「かけます」と答えた。しかし、NISAはそもそも「非課税」がキモ。SNSでは江田氏の発言を疑問視する声が相次いだ。

「NISAは庶民向けの制度」

そもそもNISAはどんな制度なのか。金融庁の公式サイトの説明はこうだ。

「通常、株式や投資信託などの金融商品に投資をした場合、これらを売却して得た利益や受け取った配当に対して約20%の税金がかかります。

NISAは、「NISA口座(非課税口座)」内で、毎年一定金額の範囲内で購入したこれらの金融商品から得られる利益が非課税になる、つまり、税金がかからなくなる制度です」

江田氏の発言は「1億円の壁」問題への対応、つまり、金融所得が多い超高所得者にもっと税金を払ってもらおうという流れで出たものだった。「1億円の壁」とは、給与所得課税の最高税率が課税所得4000万円超で45%なのに対し、金融所得課税は一律20%のため、年間所得が1億円を超えたあたりで所得税負担率が低下する問題のことだ。

しかし、NISA口座の非課税投資枠は年間120万円しかない。積み立て方式の積み立てNISAで購入できるのも、年間40万円までだ。

FPの佐藤祐一さんは、キャリコネニュースの取材に次のように語った。

「NISAは庶民向けの制度です。NISA口座で株に100万円投資し、10%の売却益が出たとすれば10万円。ここに3割課税されたとしたら3万円になります。3万円は庶民にとってみれば、生活を左右する重要なお金です。

しかし、年収1億円超の人にとってみれば、今日のディナー代ぐらいの感覚でしょう。

NISAはもともと、一般層の投資を促すために導入した制度です。非課税を売りにして投資してもらおうという制度なのに、そこに課税したら全く意味がありません」

江田氏の発言については翌29日、立憲民主党の枝野幸男代表が、次のようにツイートで釈明することになった。

「一部幹部の発言が誤解を招いていますが、立憲民主党は、将来不安解消の観点から、NISAやつみたてNISAについて、制度拡充を訴えています。課税強化は考えておりません」