もちろん、1回でもリタイアをすれば状況は一変するが、第17戦アメリカGP終了時点では、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンがメルセデスのルイス・ハミルトンを破って2021年タイトルをつかむ可能性が高まってきていると、1996年のF1チャンピオン、デイモン・ヒルは示唆した。
22戦中17戦を消化した段階で、フェルスタッペンは8勝を挙げている。残りをすべて勝てばシーズン13勝となり、2004年のミハエル・シューマッハーおよび2013年のセバスチャン・ベッテルに並ぶ歴代でのシーズン最多となる。
ハミルトンは、2014年から2020年まで、11勝、10勝、10勝、9勝、11勝、11勝、11勝を達成し、2016年以外はチャンピオンの座についた。しかし今年は残り5戦の時点で勝利は5回、ポイントリーダーのフェルスタッペンとの差は12点に拡大した。事前にはメルセデス優勢と見られていたオースティンで、ハミルトンは予選でも決勝でもフェルスタッペンに届かなかった。また、メルセデスは現在パワーユニット(PU)に信頼性の懸念を抱えている。
F1では何が起こるか分からないものの、現時点でタイトル争いにおいてフェルスタッペンが圧倒的に優勢だと、ヒルは示唆した。
「シーズンのこの段階で、結果について確信を持って述べることはできない」とヒルは、月曜に『Sky Sports』において語った。
「このスポーツでは不運な出来事が頻繁に起こる。一度優勝すれば25点を加算することができるし、リタイアすればノーポイントだ。そういうことも起こり得るのだ」
「彼(ハミルトン)は次から勝たなければならない。勝利数はマックスが8で彼が5だ。現時点では、タイトルはマックスのもののように思える」
フェルスタッペンの元チームメイト、ダニエル・リカルドは「ルイスにはチャンピオン獲得経験があるけれど、それがアドバンテージになるとは思わない」と言う。
「マックスには(タイトルを獲る)能力がある。今年の走りを見れば分かるように、精神的に落ち着いているんだ」