白土三平が、10月8日に誤嚥性肺炎のために死去した。89歳だった。
【大きな画像をもっと見る】白土は1932年2月15日、東京都生まれ。1957年に「こがらし剣士」でマンガ家デビューしたのち、貸本マンガの世界で1959年から「忍者武芸帳-影丸伝-」を発表する。1964年より月刊漫画ガロ(青林堂)で「カムイ伝」の連載を開始。「サスケ」「カムイ外伝」「ワタリ」など数々のヒット作を持つ。1963年には「シートン動物記」「サスケ」で第4回講談社児童まんが賞を受賞した。
また白土の弟で、長年白土を作画の面で支えていた岡本鉄二も、10月12日に間質性肺炎で死去。岡本は「カムイ伝」シリーズなど多くの作品で作画を手がけた。
故人の生前からの希望により、葬儀は両名とも親族のみで執り行われた。また香典・供花・弔電などの厚志は辞退するとのことで、お別れの会などを開く予定はない。小学館のビッグコミック編集部は「『カムイ伝』等の作品が切りひらいた漫画表現の可能性を、さらに広げていけるよう弊誌は今後も尽力して参りたいと思います」とコメントを寄せた。
■ ビッグコミック編集部コメント
「ビッグコミック」創刊号よりご執筆いただいた白土三平先生、そのご令弟で作画を担当されていた岡本鉄二先生、相次いでの逝去に心より哀悼の意を表します。お二方の生前の功績には畏敬の念を禁じ得ません。『カムイ伝』等の作品が切りひらいた漫画表現の可能性を、さらに広げていけるよう弊誌は今後も尽力して参りたいと思います。なお、ご遺族の希望により、お別れの会等を開く予定はございません。