2021年F1第15戦ロシアGP後、角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)のイタリアの自宅にシミュレーターが設置された。
「シミュレーター購入は、イギリスに住んでいたときから計画していたのですが、5月にイタリアへ引っ越すことになり、配送してもらう手続きなどに時間がかかって、秋になってしまいました」
自宅にシミュレーターを設置したものの、角田はレッドブルのシミュレーターがあるミルトンキーンズのファクトリーにもこれまでと変わらずに通って、シミュレーターに乗っている。
「そもそも、自宅にあるシミュレーターはミルトンキーンズにある本格的なシミュレーターほど走行を忠実に反映したものではないので、いまでも定期的にミルトンキーンズへ行って、シミュレーターに乗っています」
とはいえ、ミルトンキーンズへ行くのはグランプリとグランプリの間に1、2日程度。本格的ではないものの、ルーキーイヤーの今年、毎日のように乗ることができる自宅のシミュレーターの存在は、角田にとって非常に心強い。特にこれからは角田がレースをしたことがないサーキットが続くので、シミュレーターでの予習は貴重な時間となる。
渡米する前には角田は自宅のシミュレーターでの時間を有効に使ってコースを習熟し、初めてのアメリカGPに備えていた。
その準備が功を奏したのか、順調な滑り出しを見せた。
「オースティンでの初日はすごく楽しい走行ができました。僕にとっては初めてのコースですが、かなり早くいいアプローチを見つけられた気がします」
そう語った角田は初日16番手という順位以上に、サーキット・オブ・ジ・アメリカズでの初走行を満喫していたようだった。もちろん、使用していたシャシーは変更した前戦トルコGPに続いて、4号車だ。