トップへ

「アプローチを変えた」阪口晴南がつかむ上昇気流。久々のGT300復帰に見せる自信/第6戦オートポリス

2021年10月22日 19:31  AUTOSPORT web

AUTOSPORT web

2021スーパーGT第6戦オートポリス K-tunes RC F GT3(新田守男/阪口晴南)
サッシャ・フェネストラズの今季初GT500参戦はすなわち、これまでKeePer TOM'S GR Supraでその代役を務めてきた阪口晴南がGT300クラスへ復帰することを意味する。

 阪口が今回復帰し、新田守男とともにステアリングを握るK-tunes RC F GT3は今季ここまで入賞2回、わずかに8ポイントと苦戦を強いられている。

 だが、上位3台の額面サクセスウエイト(SW)が100kgを超え、重量が及ぼす影響の大きいオートポリスでは「少なくとも、予選では軽量組が上位に来るはず」という見方をする関係者は多い。SW24kgのK-tunes RC F GT3にも当然、上位進出の期待がかかる。

 昨年最終戦以来のGT300参戦となる阪口は、「長らくGT300を休ませてもらって、GT500で走らせてもらいました。その間に、僕の代役として頑張ってくれた平良(響)選手と、小高(一斗)選手に、まずは感謝したいと思います」と心境を語る。

「チームはここまで、タイヤの開発やセットアップのアジャストなどで苦戦している部分はあると思いますが、時折速さは見せていますし、チーム的にも『シーズン後半戦が勝負だ』と言っています」

 チームは昨年から、ダンロップへとタイヤを変更。その後、とくに決勝ペースに課題を抱え、それを解決することに注力してきている。

「そういう意味では、オートポリスは厳しいサーキットである可能性は充分にあります」と復帰戦が簡単なレースではないことを示唆する阪口。

「ただ、テストで走ったときの感触として、新しく入れたものがいい方向に進んでいると聞いていますし、逆にこのサーキットの決勝をしっかりと、速いペースで走ることができれば、課題を解決したことにもなります」

 ちなみに阪口がRC F GT3に乗るのは、1月末のテスト以来。速いクルマからの乗り換えにについては「一般的には、意外と速いクルマに乗り換えるよりも、(遅いクルマに乗り換えるときの方が)変に頑張りすぎてタイムをロスしてしまう……みたいなことがよくある」という。

「ABSもトラコン(トラクション・コントロール)もあって、という部分ではGT500とは全然違うクルマですが……僕は大丈夫です!」と阪口は笑顔を見せる。

 その笑顔と自信は、ここ最近の自身の成績に裏付けされたものでもある。先週末のスーパーフォーミュラ第6戦もてぎでは、第3戦オートポリスに続いて今季2回目の2位表彰台を獲得。阪口自身、ここ数レースの流れには手応えを感じているようだ。

「最近は成績が上向いていますし、その要因は『こうアプローチを変えたからだ』というのが、僕の中にはあるんです。ただラッキーで出ている成績ではないと思っていますし、このアプローチをもっともっと高い次元でできるようにしていきたいと思っています」

「それプラス、(SFの結果は、雨上がりという難しい)コンディションが味方したという部分はあります。でも、そのなかでも結構なトライをしたり、ちょっと考え方を変えたり、サーキットに入るまでのアプローチを変えたりしていて、それが少しずつ結果として現れてきている。当然、GT500で学んだことでもあるのですが、クラスが変わってもそれを活かしていきたいと思います」

 チャンピオン経験のあるGT500チームで代役を経験し、フォーミュラでも上昇気流に乗る阪口が、久々のGT300でどんな輝きを見せるのか。今季終盤戦のひとつの見どころにもなりそうだ。