マンガ好きなら「編集者は担当作家によく差し入れをしている」という印象を持っているのではないだろうか。実際に「担当編集者さんからこんな差し入れをもらった」と描かれているマンガのおまけページやSNSへの投稿を目にした人も多いだろう。
【大きな画像をもっと見る】コミックナタリーでは、日常的に差し入れや手土産の情報を集めているであろうマンガ編集者という職種の人たちに、「作家に渡す手土産」を教えてもらうコラムを展開する。第1回に登場してもらったのは、少年ジャンプ+編集部に所属し、みつちよ丸・佐藤祐紀「生者の行進Revenge」、佐々木尚「アラガネの子」、桐丘さな「大正処女御伽話-厭世家ノ食卓-」などを担当する玉田純一さん。彼から1ホール1万5000円という高級チーズケーキを紹介してもらった。
構成・撮影 / 宮津友徳
■ あなたのオススメの手土産を教えてください。
鎌倉山にあるハウス オブ フレーバーズのチーズケーキです。
□ 価格
チーズケーキ(大)税込1万5000円、チーズケーキ(小)税込6400円
■ この手土産のオススメポイントはどんなところですか?
ほかで食べたことがないほど濃厚で多重な味わいのある高級チーズケーキです。
見た目は表面が真っ白くてツヤツヤしているのが特徴的で、箱から出した瞬間に綺麗さに驚かれます。作家さん、アシスタントさんも疲れた原稿中にも元気になる、ちょっとしたサプライズ感のある手土産です。お店もまるでジブリ映画の世界に迷い込んだような気持ちになるような、自然と調和した雰囲気のある佇まいで、一度は行ってみてほしいです。
■ 手土産にまつわる担当作家さんとのエピソードを教えてください。
最近はデジタルの職場ばかりで、原稿中に差し入れをすることも少なくなってきましたが、あるアナログ職場では、毎回原稿の最終日になると、お弁当を差し入れに持って行っていました。そうしたら、ある食いしんぼキャラなスタッフさんが、お弁当の値段を毎回すぐ検索してしまうんですね(笑)。今日の弁当は安い、前回は高かったのに、みたいに査定がはいるのです。勘弁してくれーと思いつつも、あれは楽しくて和みましたね。
■ オススメの手土産にかかわらず、手土産を選ぶ際にはどんなところを重要視しますか?
ハウス オブ フレーバーズのようにテンションを上げてもらえるか、喜んでもらえるかも大事ですが、そのほかだと、最低1カ月程度は日持ちするかどうかと、食べやすさを気にしますね。原稿中に片手でつまめるくらいのものだといいなあと。あとは先生の好き嫌いは最初のうちにお聞きします。イベントやアフレコでスタッフさんや声優さんにお渡しする手土産なども含めて、コロナ以降は個包装であることがマスト条件になりました。
■ 新しい手土産を開拓する際の探し方を教えてください。
作家さんや先輩から口コミで教えてもらうことも多いですが、ほかにもテレビやネットで見かけたときにメモするようにしています。特にトーク番組などで、芸人さんやタレントさんが持参して紹介された手土産は当たりがとても多いですね。
■ 玉田純一(タマダジュンイチ)
1985年生まれ。2009年、株式会社集英社に入社。週刊少年ジャンプ、ジャンプSQ.編集部を経て、現在は少年ジャンプ+編集部に所属し、数多くの連載作品を担当。主な立ち上げ作に、2016年TVアニメ化された「双星の陰陽師」、2021年10月よりTVアニメが放送中の「大正処女御伽話」、そのほか「“姫様”拷問の時間です」「ミタマセキュ霊ティ」「生者の行進」シリーズなど。現在、少年ジャンプ+にて「生者の行進Revenge」「アラガネの子」「大正処女御伽話-厭世家ノ食卓-」「SSSS.GRIDMAN」「とげとげ」「その淑女は偶像となる」「神食の料理人」を担当。
■ ハウス オブ フレーバーズ
料理研究家のホルトハウス房子さんが手がける鎌倉山のケーキ店。濃厚なクリームチーズとさわやかなサワークリームの味わいが特徴のチーズケーキをはじめ、チョコレートケーキやフルーツケーキ、クッキーなどを販売している。
□ 店舗情報
住所:神奈川県鎌倉市鎌倉山3-2-10
営業時間:11:00~16:00
定休日:水曜日
電話番号:0467-31-2636(完全予約制 / 2021年10月20日時点でカフェは休止中、テイクアウトのみ対応)