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蓄電池を導入しても光熱費が下がる! Looopが国内初の太陽光サービスを発表

2021年10月14日 16:41  マイナビニュース

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画像提供:マイナビニュース
再生可能エネルギーを中心としたエネルギーサービスを展開するLooopが10月14日、国内初となる住宅向け屋根置き太陽光の新サービスを開始、メディア向けに発表会を開催した。


○国内のエネルギーをとりまく現状



Looopは、東日本大震災のボランティアをきっかけに、太陽光発電など再生可能エネルギーに関する事業を開始。エネルギーフリーの社会を実現するため、家庭向け電力サービス「Looopでんき」をはじめ、設備開発からメンテナンス、電力提供まで、一気通貫で展開し、売上高は500億円規模まで成長している。


現在、日本のエネルギーを取り巻く状況は石炭、石油、ガスによる発電が67.2%(2020年1月~6月)と、全体の2/3以上を占める。東日本大震災により国内の原子力発電所が停止、これにより不足する発電量を再エネ中心で賄うため、2012年FIT制度がスタートした。この制度によって飛躍的に再エネ比率が高まったものの、依然として電力が不足している状況が続いているため、不足を補うための化石燃料比率が高くなってしまっているのが現状だという。



近年、カーボンニュートラル宣言や脱炭素ロードマップ、第6次エネルギー基本計画素案の発表など、国内のエネルギー事情は再エネに大きな注目が集まっており、関係各省は、2030年に新築戸建ての6割に太陽光を設置する目標を設定、将来的には義務化する見方もある。また、再エネの発電コストは国内においても世界的にも減少傾向にあり、今後よりコストパフォーマンスに優れたものになっていくという見通しがなされている。


中村創一郎 代表取締役社長は「Looopでは、震災時に誓った、電気に困っている人たちに、再生可能エネルギーを届けたいという想いを形にしてきた。現場主義を徹底し、エネルギーにおけるさまざまな課題を解決することで成長することができている」とし、「今回の発表は、住宅分野における課題を解決していくもの。日本の住宅分野における脱酸素の最終的なゴールと考え、住宅におけるエネルギーの課題を解決する画期的なサービス」と解説。家庭への再エネ普及に向けた取り組みだと話した。

○国内初、蓄電池を導入しても光熱費削減



この日発表された「とくするソーラー 蓄電池付きプラン」は10月14日より全国で販売を開始。住宅向け屋根置き太陽光の新サービスで、蓄電池を導入しても光熱費を下げることができるという画期的なもの。コスト削減を実現しながら、災害対策や脱炭素の課題を解決する。


現在、各省庁により2030年に新築戸建ての6割に太陽光設置という目標が掲げられている。しかし、10kW未満の売電単価推移は年々下がっており、現状のままではユーザーにとってコストメリットのある太陽光設置のプランが2023年には無くなってしまうと予想されている。このような売電単価減少に対応するためには、売電するのではなく、いかに自家消費していくか重要なカギとなる。

同プランは太陽光パネルと蓄電池をセットにしたもので、蓄電池により自家消費できるようになっている。これにより、国内で初めて蓄電池込みでも経済メリットを創出することに成功した。新型蓄電池「エネブロック」など、自社製品を利用することにより可能な限りのコストカット実現。また、太陽光パネル、蓄電池はリースのためローンの枠外で導入することができ、その分の予算を浮かせることができるという。


さらに電気とガスの両方が使える低燃費なハイブリット給湯器(ハウスビルダーより提供)を導入することにより、エネルギー消費を効率化できる。ガスが止まっても蓄電池にて給湯ができるなど災害対応メリットも大きい。


エネブロックは、同社従来品に比べ大幅なサイズダウンを実現している。天井裏や階段下、クローゼット奥などのデッドスペースを活用して設置することができるほか、テレビボードなどリビングにも設置できる。屋内設置のため、水害や塩害、寒冷などのリスクが少なく、追加工事不要で増設が可能なため、低容量から導入が可能。停電時は蓄電池から住宅全体に電力供給し、エアコンなど200V機器も使用できる。


同プランのリース期間は15年で、固定価格買取制度により固定価格売電が終了となる10年のタイミングでリース料金を減額。10~15年にもユーザーにコストメリットを提供する。リース期間満了後はユーザーに無償譲渡され、以降は設備導入メリットのみ享受することができる。


買電の際の電気料金プランは基本料金0円のLooopでんきとなり、各種割引により通常よりさらに安く利用することが可能となる。大手電力からの削減率は、最大で35%にものぼる。



同プランを利用した場合の月々の収支例として、関東地方であれば光熱費のおよそ10%にあたる2,200円削減となっており、太陽光発電、蓄電池、ハイブリット給湯器など、高機能の災害対策をしていながらトータルコストを下げることに成功しているという。


スマートライフ事業部企画開発課の若林輝男課長は「売電単価減少による、課題やハウスビルダーさまが抱えている課題を解決することができる、待ち望まれているサービスだと考えている」と話し、売電価格に左右されない画期的なサービスと自負。初年度5,000件の導入を目指していく。



新築を想定しているが、「足場代などがかかるが、既築であってもコストメリットを算出できると考えている」(若林課長)とし、既存の建物への導入も対応するという。(宮崎新之)