2021年10月14日 10:11 弁護士ドットコム
モデルの道端アンジェリカさんが、Instagramのストーリーズで夫との離婚協議について語り、話題となっている。
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10月11日、ファンからの質問に答えていたアンジェリカさん。「旦那のお金で生活してると思うと吐き気がします」というコメントに「私????? え、1円ももらってない。養育費くらいほしいものですよ。切実に。。」と回答。
他にも、「元旦那さんとはどんな距離感ですか?」と問われ、「一切ないですよ」と返信するなど、離婚協議中の夫との関係はいまだ改善してないことをうかがわせた。
離婚成立前の「養育費」は、どのように定められているのだろうか。河内良弁護士に聞いた。
——離婚調停中、養育費の金額はどのように定められているのでしょうか
まず、「養育費」という権利は、実務上は離婚後の話で、離婚後に子を監護・養育する立場になった一方が、他方に対して、子を養育するためにかかる費用の負担を求めるという性質のものです。
そのため、まだ離婚が成立していない道端さんの場合、養育費ではなく「婚姻費用」といって、別居中の生活費の負担を求める権利があります。
——「養育費」と「婚姻費用」はどのような違いがありますか
離婚していない間が「婚姻費用」、離婚後が「養育費」ということからもわかるように、婚姻費用には、子どもの生活費だけでなく、配偶者の生活費も含まれています。
婚姻中は、配偶者は互いに助け合う義務を負うので、稼ぎの多い一方が、稼ぎの少ない他方に対して生活費の面倒をみるもの、とされています。
——どのような手続きをするのでしょうか
養育費も婚姻費用も、まずは家庭裁判所に調停(もしくは審判)を申し立てる必要があります。
もちろん、調停を経ないで任意に交渉するという方法もありますが、支払義務を負う側の態度は友好的でないことが多いうえ、合意した内容に強制力を持たせたいと思ったら、調停(もしくは審判)を経るか公正証書を作成する必要があります。そのため、調停を申し立てるのが一番スムーズな方法です。
調停を申し立てたものの、お互いの希望する金額に折り合いがつかない場合は、調停を打ち切って審判手続にそのまま移行してもらうことになります。なお調停を経ず、いきなり審判の申立てをすることもできます。
調停や審判の結果、養育費(婚姻費用)の金額が定まったのに、支払いが任意にされない場合には、差押えの手続きを申し立てることは可能です。
ちなみに、道端さんのケースでは、夫が外国籍であるということです。外国籍の配偶者との養育費(婚姻費用)トラブルを抱えている方がいらっしゃるかも知れませんが、配偶者が外国籍の場合、国際裁判管轄の問題も一応考慮する必要があります。
このようなトラブルに巻き込まれた場合には、なるべく、弁護士に相談をされることをお勧めします。
【取材協力弁護士】
河内 良(かわち・りょう)弁護士
大学時代は新聞奨学生として過ごし、平成18年に旧司法試験に合格。平成28年3月に独立した。趣味はドライブと温泉めぐり。
事務所名:河内良法律事務所
事務所URL:http://www.kawachiryo-law.jp