アルピーヌのエステバン・オコンにとっての2021年F1第16戦トルコGPは、タイヤマネジメントがすべてだった。日曜日、オコンはレースを1セットのインターミディエイトタイヤで最大限にプッシュして走りきり、さらにはポイントまで獲得したのだ。
イスタンブール・パークの湿っぽいコンディションのせいで、レースではインターミディエイトタイヤでのスタートが必要になった。レースが展開するにつれてドライのラインがかすかに出てきたものの、断続的に小雨が降ったことから、インターミディエイトタイヤがレース中には最適なタイヤだった。
日曜日のレースラウンドを前に、ピレリのレーシングマネージャーであるマリオ・イゾラは、各チームに対し58周を1セットのインターミディエイトタイヤで走ることのリスクを警告していた。
「レース全体をインターミディエイトで走ることを我々は勧めなかった。実際我々は一部のチームに対し、そうすることのリスクについて警告した」とイゾラは語った。
それでもオコンはプッシュしたが、レース後にパルクフェルメで見られた完全に磨耗した右フロントタイヤは悲惨な様子だった。オコンのノンストップ走行は、赤旗が出なかったレースにおいては、1997年モナコGPでのミカ・サロ以来初めてのことだったが、それでもオコンとチームはチャンピオンシップポイントを獲得した。
「誰もピットストップをしなかったのが最後はいつだったのか、僕は知らない」とオコンは語った。
「今日はリスクを取ったんだ。最後には報われたよ。そうしてポイントを獲得できたからね」
「最後には、タイヤはいい状態には見えなかったね! あのタイヤはファクトリーの壁に飾ることになると思うよ。あれでよかったよ。なぜなら僕が言ったように結果につながったからね」
オコンは、最初からトリッキーなコンディションにおけるタイヤマネジメントについて、チームと綿密にコミュニケーションを取っていたが、昨年のトルコGPでの経験を活かしたという。昨年オコンは序盤でスピンを喫したためにタイヤ交換を余儀なくされ、その後インターミディエイトタイヤに変えた後はシングルスティントでチェッカーフラッグを受けた。
「多くの議論をしたけれど、僕の頭のなかでは、試して結果を出すということがとても明確になっていた。なぜなら昨年は1周目にインシデントが起き、ほとんどそこからレース全体をインターミディエイトで走ったからだ」とオコンは説明した。
「だから昨年がそうだったら、もしかしたら今年も同じことをできるかもしれないと思った。今年は昨年よりさらに1周多く走ったのだからよかったよ」
明らかに結果に満足しているオコンだが、あと1周か1周に満たないうちに間違いなく惨事が起きただろうと認めた。
「最後はトリッキーだった。あと数コーナーあったら、僕はあのポイントを失っていただろう。最後に報われてよかった。みんなのためにポイントを獲得できたことをとても喜んでいるよ」
「あと1周あったら、パンクしていたと思う。リスクのある賭けだった。今日はうまく切り抜けたよ」
「僕たちにとってベストな週末というわけではなかったのは明らかだ。1ポイント獲れたことで少しは助けになったが、数戦前に僕たちが出したレベルのパフォーマンスに戻るために、やるべき仕事がいくつかある。そしてそのパフォーマンスをオースティンでも維持する必要がある」