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RA272モチーフの特別カラーリングで「みなさんと気持ちを共有して一緒に戦いたい」/ホンダ山本MDインタビュー

2021年10月08日 15:21  AUTOSPORT web

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ホンダF1 山本雅史マネージングディレクター
2021年F1第16戦トルコGPが行われるこの週末は、本来であれば日本GPが開催される予定だった。日本GPは新型コロナウイルスの影響で2年連続中止となったが、レッドブルはその日本GPのために用意されていたスペシャルカラーで今週末のトルコGPを戦う。

『Honda Japanese Virtual Grand Prix』に関しても様々なイベントが予定されているとのことで、ホンダの山本雅史マネージングディレクターは、「トルコGPの3日間はみなさんと気持ちを共有して、一緒に戦うことができればいいなと思っています」と述べた。

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──今回のF1第16戦トルコGPで、レッドブル・ホンダがスペシャルカラーをまとったマシンにした経緯をあらためてお聞かせください。

山本雅史マネージングディレクター(以下、山本MD):日本GPを楽しみにしていた日本をはじめ世界中の多くのファンに、レッドブル、アルファタウリとホンダで、このトルコGP期間中にオンライン上のイベント『Honda Japanese Virtual Grand Prix』を開催しますが、さらに何かサプライズ的なことはできないかということになり、もともと日本GPが開催されていたら、レッドブルが特別カラーリングで走らせることになっていたアイデアを復活させてもらい、それにアルファタウリも同調してリヤウイングに『ありがとう』という文字をペイントしました。

──アイボリーというかホワイトカラーにするというのは、誰のアイデアだったのですか。

山本MD:チャンピオンシップホワイトに関しては、2019年の鈴鹿の前に栃木の研究所のテストコースを使って、佐藤琢磨選手とコラボでマックス(・フェルスタッペン)にもRA272に乗ってもらっていたことがきっかけでした。そのとき赤いストライプの入った白いレーシングウェアをホンダのモータースポーツ部でドライバー用に用意したのですが、マックスが『おしゃれでかっこいいね』と、とてもお気に入りで、今回もぜひそのカラーリングにしようと。そうしたら、クリスチャン(・ホーナー代表)が『ノーズに日の丸を入れたら272に見えるから、そうしよう』ということになりました。本当にこの7年間、特に日本のファンの方からの応援で支えられてきた私たちとともに鈴鹿で一緒に戦いたいなという部分があったので、トルコGPの3日間はみなさんと気持ちを共有して、一緒に戦うことができればいいなと思っています。

──F1には多くの権利関係が存在していますが、それに関してF1側の対応はいかがでしたか。

山本MD:『Honda Japanese Virtual Grand Prix』では3日間のレース週末を通じていろいろなイベントを企画しています。その一部には過去の日本GPの映像だとか、フジテレビさんにも協力いただいてさまざまな映像を使用する予定なのですが、それらの権利関係に絡むようなことはすべてFOM、F1と話をして了承をもらっています。(F1のCEOを務めるステファノ・)ドメリカリさんを中心に非常に協力的で、あらためて感謝を申し上げます。

──マシンだけではなくドライビングスーツも特別バージョンにするのでしょうか?

山本MD:いまのところ、レースングスーツもネイビーからマシンに合わせたカラーリングになると聞いています。詳細はレッドブルに聞いて下さい。

──さて、本日、ホンダが2022年以降のレッドブル・グループとの協力関係に合意したという発表を行いました。パワーユニット(PU)に関する知的財産権の使用を許諾したという内容ですが、これは昨年撤退を発表したときに「できる限り協力したい」といった内容にほぼ沿ったものなのか、よりレッドブル側に寄り添った形で決着したと思っていいのか、どうなんでしょうか?

山本MD:レッドブルパワートレインズも含めてホンダと合意しました。ただ今の質問に対していうとホンダはあくまで今シーズンで看板を降ろす、参戦終了することに変わりはありません。したがって、ホンダとしては今年のチャンピオンシップをしっかりやり切りたいという思いを持っています。そのうえで、来年1年間をかけてレッドブルにレース運営をしっかり引き継ぐということで最終的に合意したと考えています。

──今後は4輪のモータースポーツもHRCでやるということですが、これは別会社に移すことで、本業の業績に左右されずに、ホンダのDNAであるモータースポーツ部門を継続的に運営していくための手段として見ていいのでしょうか。

山本MD:HRCと2輪、4輪を統合してやるというのは以前から議論のなかにありました。したがって、2輪モーターサイクルと4輪のレースが、密接な関係でお互いに切磋琢磨して、いい状況を作り出すことになったと認識してもらえればいいと思います。元々海外含めて技術の共有をしている部分は多いので、今後2輪、4輪ともに日本を中心としてモータースポーツに対してしっかり強化していく。そのなかで将来の2輪、4輪のモータースポーツにおける磐石のものを作っていくと考えてもらえたらいいかなと思います。