画像／petit paquet（プティ・パケ）2160円
OZmagazine TRIPで好評連載中の「さて、おやつにしますか」は、文筆家・甲斐みのりさんが教える、旅の目的になるおやつの話。第13回目は神奈川県・鎌倉市にある「鎌倉紅谷 八幡宮前本店」で販売中の「petit paquet（プティ・パケ）」をご紹介します。
“かわいい小包”という意味の名の、鎌倉・本店限定クッキー缶
鎌倉・鶴岡八幡宮の門前で昭和29年に創業した「鎌倉紅谷」。20年前に鎌倉散策途中で立ち寄り、クルミ入り焼き菓子「クルミッ子」に出会って以来ファンになった。当時すでに“お取り寄せ”という言葉は浸透していたけれど、誰もが気軽にウェブショップを利用する一歩手前。今ならば食べたいときに食べたいものをインターネットで注文するところ、あの頃は「またクルミッ子が食べたい」という強い思いに突き動かされ、年に幾度か鎌倉まで足を運んでいた。
大抵のものが取り寄せできる時代だからこそ、現地でしか買えないものにも心ときめく。不定期でウェブショップに登場することもあるけれど、基本的には鎌倉紅谷 八幡宮前本店限定のクッキー缶「petit paquet（プティ・パケ）」もそのひとつ。リスが描かれた缶の中身は、抹茶、あずき、ショコラ、チーズなど、和洋の素材を使った7種類のクッキー。1枚ずつ職人さんが手間暇かけて焼き上げているため、1日数十缶しか作ることができず、早々に売り切れることも。鎌倉で運よく出会えたときからしばらくは、おやつの時間がぱっと華やぐ。
取材・文／甲斐みのり 撮影／鍵岡龍門
