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東武鉄道70000型の回送列車で空き飲料容器を輸送、実証実験を公開

2021年10月07日 19:42  マイナビニュース

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画像提供:マイナビニュース
東武鉄道は10月1日から、通勤・通学輸送を終えて車両基地へ戻る回送列車を活用し、自動販売機横のリサイクルボックス(キリンビバレッジが東武線各駅に設置)にて収集された空き飲料容器を輸送する実証実験を開始している。実証実験は10月14日まで、2週間にわたり実施される予定。10月7日に報道公開が行われた。


駅にある飲料自販機でのベンダー業務(商品補充、販売機・売上金管理、空き容器回収)の中で、安全性が求められる空き飲料容器の回収に東武鉄道は着目した。飲料メーカーによるベンダー業務の中でも、空き飲料容器の回収を効率化し、通勤・通学輸送を終えて車両基地へ戻る回送列車の有効活用を両立できないかということで、この実証実験を行い、事業性と効果を検証する。



今回の実証実験では、各駅の構内清掃業務を行う東武ビルマネジメントの清掃員が、自販機横のリサイクルボックスにて収集された空き飲料容器を回収し、回送列車に積み込む。回送列車が車両基地に着いた後、シンフォニア東武(東武鉄道の障がい者雇用を推進する特例子会社)の従業員が空き飲料容器の分別を行う。これにより、障がい者雇用の職域拡大の可能性も検証する。



まずは東武スカイツリーラインの北千住駅にて、空き飲料容器を回収。同駅1階の2番線ホーム(春日部方面)に、7袋分の空き飲料容器が集められていた。そこへ70000型(7両編成)の回送列車がやって来て、最後尾車両の最も後方の扉が開き、車内にブルーシートを敷く作業が行われた。その後、ビニール袋にまとめられた空き飲料容器が車内へ積み込まれた。


回送列車は10時20分に北千住駅を出発。続いて梅島駅に停車し、さらに2袋分の空き飲料容器が積み込まれる。袋によっては液漏れ対応のため、ビニール袋に重ねて入れるという作業を東武ビルマネジメントの清掃員が行っていた。清掃用具も車内に準備してある。



その後も谷塚駅で2袋分、新田駅で3袋分、越谷駅で2袋分、せんげん台駅で1袋分の空き飲料容器が積み込まれる。春日部駅でも4袋分の空き飲料容器が積み込まれ、この日は計21袋分が輸送された。なお、回収する駅は日によって変えるものの、おおむね1日15~20袋を運ぶとのことだった。


北春日部駅から南栗橋車両管区春日部支所の留置線に入り、11時30分ころに到着すると、空き飲料容器の荷下ろしと車内清掃が行われる。空き飲料容器はトラックに積み込まれ、東武鉄道の社員研修施設だった旧能力開発センターへ移動。そこでシンフォニア東武の従業員により、アルミ缶、スチール缶、ペットボトル、ビンに分別される。東武線各駅に設置されたリサイクルボックスは、中に入れるとどの種類の容器も一緒になるため、手作業で分別しなければならない。アルミ缶とスチール缶を分ける際、磁石を使うこともあるという。(小林拓矢)