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「glo」が初の「LUCKY STRIKE」2銘柄を発売、増税後も「VELO」は価格据え置き

2021年10月06日 17:32  マイナビニュース

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画像提供:マイナビニュース
「ケント」「クール」「ラッキー・ストライク」「ネオ」などを主力ブランドに抱えるたばこグループ「ブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパン」(以下「BATJ」)。その事業戦略説明会が9月29日に開催された。


現在100種類以上の紙巻たばこ製品と非燃焼性たばこ製品を販売する「BATJ」だが、今秋、「glo」(グロー)専用たばこスティックとオーラルたばこ「VELO」(ベロ)から計5種の新製品の販売を予定していることを発表した。

○日本市場への期待を語る



健康意識の高まりや受動喫煙規制強化、コロナ禍による社会環境の目まぐるしい移り変わりのなか、たばこ市場では紙巻たばこから加熱式たばこなどの非燃焼性たばこへのシフトが急速に進んでいる。



「A Better Tomorrow(より良い明日)」をビジョンに掲げるBATグループは、事業の中核である燃焼性たばこ製品から、健康リスク低減の可能性を秘めた非燃焼性たばこ製品への移行に注力。成人消費者にとってより満足度の高い、より低リスク製品の選択肢の拡充などを通じ、事業における健康や環境に与える影響の低減を目指す。



1984年に日本でのたばこ販売事業を開始したBATグループだが、グループ全体の「glo」製品売り上げの日本市場のシェアが約6割を占め、日本は最も重要な市場のひとつとなっている。

BATJ社長のジェームズ山中氏は、日本の消費者や市場の特徴を「臭いなど周囲への配慮を重要視し、新しいテクノロジー体験に比較的オープンな市場」と紹介。

「日本における当社の紙巻たばこと加熱式たばこの売り上げの比率は、約3分の1の売り上げが加熱式たばこで、この割合は年々、増加の傾向にあります」「「glo」は市場の中でも手に取りやすい価格で使い方もシンプル。新たなフレーバー展開などを推進しながら、吸いごたえや味わいなどの満足感を満たすことで、さらなる移行促進につなげていきたい」と語った。


米たばこ大手のフィリップ・モリス・インターナショナルが紙巻たばこ販売から10年以内に撤退を発表していることを踏まえ、説明会では紙巻たばこの将来性についての質問もあり、こうコメントしていた。

「加熱式たばこの市場が劇的な成長を見込んでいますが、短期的に紙巻たばこが全くなくなるとは考えていません。引き続き、紙巻たばこを吸い続ける消費者はフォローしていきます。しかし、あくまでビジネスにおける健康への影響を低減するため、積極的に施策を打ち、加熱式たばこなどのより有害性物質の少ない可能性を秘めた商品への移行を促したい」

○「glo」から3種類の専用たばこスティックを展開



BATJが加熱式たばこ「glo(グロー)」の製品戦略の軸に据えるのが、「製品バラエティーの拡充」「イノベーションとテクノロジーの進化を通した製品開発」「手に取りやすい価格設定」という3つの取り組みだ。



特に価格戦略については、今年1月に公式オンラインストアなどで発売開始した「glo hyper+(グロー・ハイパー・プラス)」では希望小売価格を980円に。

加熱式たばこへのさらなる移行促進を図るため、この10月1日からのたばこ税増税後も、加熱式たばこ「glo」のデバイスや専用たばこスティックは、紙巻たばこ製品と比較して消費者が求めやすい価格に設定した。



11月8日には「glo」で初めて紙巻たばこブランド「LUCKY STRIKE(ラッキー・ストライク)」から専用たばこスティック2銘柄を発売予定。それぞれ12本入りのコンパクトサイズとなっており、290円と手が届きやすい価格で現在、財務省へ定価認可申請中だ。

「ラッキー・ストライク・ダーク・タバコ・ 12本・glo hyper用」では、新技術「ジェルテクノロジー」を搭載することで、「glo」におけるレギュラー味の製品の味わいや満足感を追求した。

ラッキー・ストライク2銘柄の販売開始を記念し、限定デザインの「glo」デバイス 2種も登場する。



また、加熱式専用たばこ「neo(ネオ)」からは「グロー・ハイパー」「グロー・ハイパー・プラス」専用の「ネオ・ワイルド・メンソール・スティック」の販売も10月18日より開始する。こちらはメンソールカプセルに加え、「glo」史上初めてジェルテクノロジーを搭載となる製品で、味わいの改善を実現。メンソールの冷涼感をより長く味わえるという。

○新発想の吸わないたばこ「VELO」も拡充



BATJでは加熱式たばこ「glo」のさらなる普及に加え、グローバルレベルでの製品開発と科学的な研究を通じ、たばこ消費者の潜在的なニーズを満たす非燃焼性たばこ製品の開発にも注力する。


2019年2月に日本初となる純白パウチのオーラルたばことして発売された「VELO」は、その代表的な商品だ。

歯ぐきと頬の間に挟んで楽しむ新発想の“吸わないたばこ”で、紙巻たばこと比較して有害性物質の発生を99%削減。煙やニオイが発生しないため、自分自身や周囲への配慮はしながら、より多様なシーンで楽しみやすい。



全体の販売量自体はまだまだ小さいそうだが、「VELO」シリーズの今年8月単月の販売数量は、今年2月単月の販売数量と比較して2倍以上に増加しているという。


10月1日から実施されるたばこ税増税に伴う価格改定でも、「VELO」の計8銘柄の価格は据え置き、手に取りやすい価格を維持。よりコンパクトな「VELOポケット」2銘柄(「ベロ・ポーラー・ミント・ライト・ポケット」「ベロ・ルビー・ベリー・ライト・ポケット」)も展開予定だ。



史上最小サイズの「VELOポケット」は標準5パウチ入りと、従来品より少ないパウチ数とすることで持ち運びがしやすく、気軽に手に取りやすい100円という価格となる見込み(現在、財務省へ定価認可申請中)。まずは11月1日より、地域(福岡市内のファミリーマートおよびAEON九州の一部店舗)や数量を限定して販売するという。



消費者のニーズが変化するなか、日本の非燃焼性たばこ製品の市場は今後さらに激化しそうだ。



岡本貴之 おかもと たかゆき 1971年新潟県生まれのフリーライター。音楽取材の他、グルメ 取材、様々なカルチャーの体験レポート等、多岐にわたり取材・ 執筆している。趣味はプロレス・格闘技観戦。著書は『I LIKE YOU 忌野清志郎』(岡本貴之編・河出書房新社)」 この著者の記事一覧はこちら(伊藤綾)