元F1ドライバーのヨス・フェルスタッペンは、息子マックスをどのように訓練してきたかについて、マックス自身の将来のモータースポーツキャリアに備えるために、コース上の最も難しい場所でのみオーバーテイクをするように教えたのだと語った。
ヨスは1994年から2003年の間にベネトン、シムテック、フットワーク、ティレル、スチュワート、アロウズ、ミナルディからF1に出場したが、タイトルを獲ることはできず、1994年のベネトン時代にハンガリーGPとベルギーGPで2回表彰台を獲得するにとどまった。
F1で父の後をたどっているマックスは、すでに134回のグランプリに出走し、17回の優勝を飾っている。今シーズンはマックスにとって、初タイトル獲得へ向けた今までで最高のチャンスのように見えるが、これも父の教えあってのことだろう。
「カートのレベルであっても、私は彼にできる限りのことを教えようとした」と今週ヨスは『SpeedWeek』誌のインタビューで語った。
「考えるべき多くのことがある。ドライビング自体や、どのようにオーバーテイクをするか、また、どうマシンをセットアップするかといったことだ」
「オーバーテイクは私に言わせれば大きな問題だ。なぜなら間違ったやり方のオーバーテイクというものがあると私は考えているからだ。もしマックスがオーバーテイクの戦略でタイムを失ったら、どのようにしたらうまくできるかということを彼に説明した」
「そこから、ストレートや私が簡単すぎると思った場所でアタックするのを彼に禁じるところまでいった。私は彼に『アタックしていいのはここ、ここ、あそこだけだ。それ以外はダメだ』と言った」
「そうした(アタックしていい)コーナーは他のドライバーが仕掛けないようなところだ。それが今日のF1でマックスがどこでもオーバーテイクできるという印象がある理由のひとつだ」
「オーバーテイクの戦術は偶然の産物ではない。ドライバーはライバルを油断なく見張り、彼の弱点を探り、真剣に向かい合わなければならない。マックスはこのことを何年もカートで訓練し、習得したのだ」
しかしながら、最近のシーズンでマックスの持つ最も素晴らしい武器のひとつである、動じることのない態度については、ヨスの手柄ではないという。
「彼は常にメンタルが非常に強い」とヨスは述べた。
「私は自分が一緒に仕事をしやすい人間ではないことを分かっているし、マックスに多くを要求した」
「もちろん彼については多くのことを指摘できるだろうが、この内面の落ち着きは彼の性格と調和している。こうしたことは訓練できないことだ」
「多くの優勝を飾り、彼は自然と大きな自信を少しずつ築き上げた。そして自分のことを強く信じていれば、それは消えないものだ」