メルセデスのルイス・ハミルトンは、2021年シーズンのF1における最大のライバルであるマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)について、少なくとも彼の方では個人的な敵意を持っていないと主張している。
ふたりはシーズンを通してポイントランキングで接戦を演じている。そしてシーズンが進むなかで、特に彼らが衝突したふたつのレースの後には、とげのある言葉を互いに交わしてきた。
しかしハミルトンは、今週末は彼らの間でますます激しくなる言葉を落ち着かせようと努めており、メディアに対する最近のコメントではより融和的なアプローチを取っている。
「難しいものだ」とハミルトンは最近の『ESPN』のインタビューで認めた。
「周りに人々がいて自分が敵対的な状況を抱えていると、人々は自分がそこにいる時は同じ見方をしてくれるが、いない時には違った見方をするんだ」
「僕は彼に対して敵意など持っていない。彼はとてつもない才能を持っていると思うし、彼とレースをするのを楽しんでいる。僕とマックスがレース後にお互いに会う時は、彼が1位だろうが僕の次の順位だろうが、いつも敬意を払うようにしている」
「そのことが変わったとは感じていない。僕はいつも彼のところへ行くようにしているけれど、何か変わったという感じはしないよ」
「彼がやることすべてに僕は賛成しているだろうか? そのことは問題ですらない。僕がコントロールできるのは、自分がすることと、どのように対処するかということだけだ」
レッドブルは、第10戦イギリスGPの1周目にハミルトンとの接触によりフェルスタッペンがバリアに衝突して甚大な影響を被ったことに激怒した。一方のハミルトンは、ペナルティを受けながらも優勝を飾った。また第14戦イタリアGPでは、ふたりは、グラベルでレースを終えることになった。この時はフェルスタッペンにレース中の非があると判断され、第15戦ロシアGPでペナルティが科された。
「シルバーストンの後に彼に電話をかけた。でもこの時も先輩面しようとしたわけではない。僕の方がずっと年上ではあるけれどね」とハミルトンは語った。
「僕にとっては、電話をかけて緊張を和ませるようにできることが重要だった。僕が25歳の時にはそんなことはできなかっただろう」
「もちろん僕たちは別の日に(モンツァで)スチュワードのオフィスに座っていたが、敵対的ではなかった。彼は自分の見解を示し、僕は自分の考えを示した」
ハミルトンは、今年のチャンピオンシップの結果が、ふたりの間でさらに物議を招くようなコース上でのクラッシュによって決まることを望んでいない。
「そのようなやり方では決して勝ちたくない」とハミルトンは主張した。「それについて疑問の余地はまったくないよ」
「つまり、結局勝てなかったとしても、少なくとも尊厳は保つことができる。他の方法では勝ちたくない。正しい形で常に勝ちたいものなんだ」
「僕はレースを愛している。タイトルを賭けて戦うことを愛している。今年の終わりに僕が取り組んだことはそういうことになる。目指していたことを、そのためにともに努力している人たちがいるのに達成できなかったら、失望しないとは言えないよ」
「(でも)何が起きようとも、1年の終わりには握手をして、次の年にはふたたび戦いに戻るんだ」
「今年は多くのポジティブなことがあった。これからもさらにそのようなことがあることを願っている。素晴らしい年になっているよ!」