レッドブルでマックス・フェルスタッペンのチームメイトたちが彼とレースをするプレッシャーに屈してしまう話が繰り返されているが、アレクサンダー・アルボンは、それは“実際とは少し違う”と述べている。
フェルスタッペンはレッドブルにおいて、過去4年間で4人の異なるドライバーと戦ったが、その全員がフェルスタッペンの才能とスキルに屈服するほかなかった。
ダニエル・リカルドはチーム内での戦いから身を引くことを選び、リカルドの後任のピエール・ガスリーは2019年半ばで降格された。その年のベルギーGPからガスリーと交代させられたアルボンは、実力を証明するためのさらなる時間を与えられはしたが、レッドブルの上層部が意志決定を行う時期が来るとアルボンは放出され、代わりにセルジオ・ペレスが加入した。
ペレスは今年、第6戦アゼルバイジャンGPで優勝を飾ったが、これはガスリーもアルボンもレッドブル在籍中には達成できなかったことだ。それでもペレスは平均すると全体的にフェルスタッペンを下回っている。
24歳のフェルスタッペンが間違いなく太刀打ちできないドライバーであることは、レッドブルのモータースポーツアドバイザーであるヘルムート・マルコが認めている。しかしアルボンは、レッドブルのガレージでフェルスタッペンのチームメイトでいることは、精神的圧力をかけられる環境にいることと同じではないと否定している。
「正直に言って、プレッシャーについて言われている話はすべて実際とは少し違う」と来年ウイリアムズに加入するアルボンは『Motorsport-Total.com』に語った。
「要するに、ドライバーが自分にプレッシャーをかけているんだ。プレッシャーは自分のなかから生まれる」
アルボンは、誤った印象操作の原因の一部は、F1の“強引な”メディアにあることを指摘している。だがアルボンは、DTMドイツツーリングカー選手権のレースではF1以上のプレッシャーを自分にかけていると断固として主張した。
「あそこでの(F1の)メディアは、はるかに強引だね。(DTMでは)さらにパフォーマンスを発揮して仕事をうまくやることができる。だからDTMでドライブする時には、僕は自分にうまくやるようにプレッシャーをかけている」
アルボンがDTMにパートタイム参戦していることは、自身を忙しくして体力を保つことが理由ではない。DTMシリーズはマルコのお気に入りで、アルボンのことを注視しているのだ。
「ヘルムートはDTMを楽しんでいる。あそこでレースをするのが好きなんだ。彼がどれだけDTMを気に入っているか驚いたくらいだよ」
アルボンはAFコルセのフェラーリ488 GT3 Evoを駆り、ニュルブルクンクで行われた第4戦で優勝を果たしているが、今年はF1での走行時間もさらに持てるように願っている。
「僕は(F1で)望んでいるほど走行できていない。F1ではテストデーがほとんどないからね。今年参加したのはこれまでのところ3回だ」
「でもGTカーはF1マシンとは違う。DTMで良い結果を出せたからといっても、F1では意味がない。レーシングドライバーとしては、もちろんどこでも良いドライバーになりたいものだ」