世帯年収1200~1400万円のリアルな生活感とは? キャリコネニュース読者から寄せられたエピソードを紹介し、FPの佐藤祐一さんに解説してもらった。
「趣味や美味しい食事にはお金を惜しみませんが、普段の食費などは可能な限り節約」
都内の50代前半女性は世帯年収1200万円。商社のパートとして働いており、子どもを1人育てている。日々の生活感については、こう語った。
「特に贅沢をするわけではなく、節約を心がけ、普通の暮らしをしている」
「値引きの時間帯のあるスーパーで、高級食材を半額で買うのが夫婦の趣味」
同じく世帯年収1200万円の神奈川県の30代後半女性も「スーパーでは値引きの品を進んで買います」という。
「夫婦ともに総合職正社員で、平均世帯年収以上ではあるが、そこまで裕福な生活ができているとは思いません」
「ただ、幼児が2人いて(彼らが)『習い事などをやりたい』と言ったらやらせてあげるだけの余裕はあります」
また、貯蓄の状況については、「保険が高めなのか、月々の貯金はそこまでできず、ボーナスでガッツリ貯金しています」と明かした。
FPの佐藤さんは、「スーパーで値引き品を中心に購入する方は多いですね。高級食材も値引きして買えるなら楽しみに思ってやってもいいかもしれないですね」としたうえで、次のようにコメントした。
「もし、ご自宅でちょっとお高い美味しい食材を使って料理するのを楽しみにされているなら、ふるさと納税もいいかもしれません。ふるさと納税は自治体に寄付することで、地域の米や肉、魚などの特産品がもらえる制度です。確定申告をすることで税金も返ってきます。それほど難しい手続きがあるわけではないので、ぜひ一度ふるさと納税のポータルサイトをご覧になってはいかがでしょうか」
また、保険について、佐藤さんは次のようなアドバイスを送っていた。
「○○が起きたら……と備えることは悪いことではありません。ただ、確率が低いことに対して心配になりすぎ、自分の楽しみや日常生活を犠牲にし過ぎるケースというのもあるようです」
「例えば、外出すると交通事故に遭うから、家からは一歩も出ないという意見は、極端ですよね。保険を考えるときも同じで、安心・不安といった感情よりも、起こる確率と起こったときの損失を考えるとよいです」
「事故に合う確率としては、例えば、2020年の交通事故による死亡者数は2839人でした(内閣府発表より)。2020年の日本の人口は1億2570万人(総務省発表より)ですから、昨年交通事故で亡くなったのは、約44000人に1人となります」
「ただ、確率は低くても、最低限の治療費や賠償金、家族に遺すお金を用意できるかなども考える必要があります。もし火の不始末でアパートを全焼させたり、交通事故で他人を死亡させてしまったりすれば、多額の賠償金が必要となります。自力では賄えないことも多いでしょう。やはり、最低限の保険は必要です」
「逆に、心配だからといって必要以上の保険をかけ、資産を目減りさせるぐらいなら、貯蓄や資産運用で備えた方がいいケースもあります。保険に入るときには、何となくの安心感を得て満足するのではなく、本当にその保険がいいのか考える必要があります。安心感と安心は違います。いちど現在の収支、資産と負債を分析して、今後どういう備えをすればいいかを確かめてみてはいかがでしょうか?」
【専門家プロフィール】佐藤祐一
投資家・ファイナンシャルプランナー・社会福祉士。2019年から投資で月収を半年で3倍、1年間で5倍にした経験を活かし、人々の金融リテラシーを高めて、夢を叶えるための資産形成のサポートを実施。取り組んでいる投資は株式投資、不動産投資、FX投資、暗号通貨のマイニング、事業投資など。東京、大阪、京都、愛知など日本各地でお金に関する相談やコンサルティング、株式投資のコンサルなどを平均週6名実施し、年間50名を担当。どの投資にも肩入れせずに、お金の考え方を身に着け、良い投資と悪い投資の見極めをできるようにすることを重視している。現在、タイムチケットで相談を受け付けている。