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コロナ禍でも出社必須の会社、転職したいけど……

2021年09月30日 10:31  マイナビニュース

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画像提供:マイナビニュース
●今回のモヤモヤ「コロナ禍でも出社必須の会社、転職したいけど……」
連載「ワーママのモヤモヤ整理します」は、託児付きランチサービス「ここるく」の経営者であり、大手企業の社外取締役としてもダイバーシティを確保するための人材育成・環境整備などに取り組む山下真実さんが、ワーママが抱えるモヤモヤに寄り添い、気持ちを整理していく企画です。



18回目の相談者は、メディア系の会社の広告営業職として働いているあかねさん。コロナ禍での働き方や会社の人事評価の基準に不満が募り転職を考えているものの、息子の発達障害の診断待ちという状況で身動きが取れず、モヤモヤしているといいます。

○今回の相談者さんのモヤモヤはこちら

子どもを持つとなおさら、働く場所の環境が自分の理想にフィットしているかどうかは気になるもの。とはいえ、お子さんの事情で身動きが取れない今、どのように気持ちを保ったらいいでしょうか、山下さんのアドバイスは……?


●山下さんからのアドバイスは……?
○山下さんからのアドバイスは……?


自分が本当にやりたい仕事は何? 身動きがとれない時期だからこそ「将来は●●したい!」と大風呂敷を広げて、次のチャンスをつかむための準備をしておこう。


山下さん: 子どものことって仕事をしていてもずっと心に引っかかってしまうものだと思うので、"診断待ち"という見通しが立たない状況は本当にしんどいと思います。実際、転職にしても"今は下手に動けない"というのが正直なところかもしれません。



いずれにせよ身動きが取れないのであれば、視点を現在から未来に切り替えて、これからどんな人生を送りたいのか、将来に向けて大風呂敷を広げる機会にしてみてはいかがでしょうか? やってみたい仕事、実現したい働き方……一切の制約をとっぱらって自分の夢について考えておくと、いざ動き出したときに見える世界が変わってくると思います。

あかねさん: そう言われてみると、現状に対する不満ばっかり目についてしまって、じゃぁ本当はどんな仕事や働き方が理想なのか、考えたことはなかったかもしれません。今後、転職なり将来の働き方を考えるにしても、そういったビジョンは必要ですもんね。



山下さん: 風呂敷を広げておくことは、チャンスをつかむための準備なんです。今まで無意識に"やりたい"と思っていた夢や目標たちが、風呂敷を広げることであかねさんの未来像の中に描かれ、座標を持ちます。



ぼんやりしていたことが急にクリアになるわけではありませんが、ふわふわせずに居場所を持つようになります。そうしておくと意識が向きやすくなって、実現につながるチャンスが訪れたときにもそれに気づきやすくなります。



今の仕事、今の状況で大きく動けないときは、一度立ち止まってみるのも一つの方法です。動けない期間にチャンスをつかみ取る力を育んでおくというのは、自分への投資にもなると思いますよ。


●自分に甘い世界観を描いてみよう
○自分に甘い世界観を描いてみよう



山下さん: お話を聞いていて、あかねさんはいつも客観的な視点を自分に向けていらっしゃる方なのかなと感じました。自分を客観的に見れると謙虚になれるし、組織の中でも敵を作りづらいのでメリットも大きいと思いますが、"私なんかよりできる人がいっぱいいる"と思って自分で自分の可能性をつぶしがちです。



でも、自分の客観的な視点に夢をつぶされてしまうのはもったいない! 誰に突っ込まれるわけでもないですから、大風呂敷を広げるときは自分に甘い世界観を描いてみてください。

あかねさん: 確かに、将来のことを考えようとすると、自分の能力とかさまざまな制約を意識してしまいがちなんですが、そういうしばりをなくせば、やりたいことが出てくるような気がしました。



山下さん: 人によっては、大風呂敷を広げようと思ったのに実際やりたいことはハンカチくらいの大きさしかなかった、ということもあるかもしれません。でも"これだけでも幸せ"と思えたら、それはそれで大きな気づきです。たとえ最初は小さくても、やりたいことや自分の"好き"に気づくことで、徐々にハンカチから風呂敷まで夢は大きくふくらんでいくはず。焦らず長い目で見て、ゆっくり自分に向き合ってみてくださいね。


○山下真実


株式会社ここるく 代表取締役・社会起業家・2児の母。

米国留学によるMBA取得、米系投資銀行・金融コンサルを経て、ママになったことをきっかけに子育て支援という全くの新領域へ。人気レストランから選べる託児付きランチサービス「ここるく」を2013年にスタート。サービスを通じて集まる働くママのインサイトと、MBA・コンサルで得た専門知識の両面から、ママ向けサービス開発や育休復帰・働き方改革コンサルティングなども手掛ける。『第14回女性起業家大賞』、三菱UFJ銀行主催『Rise Up Festa』最優秀賞受賞。


○比恵島由理子


イラストレーター、2児の母。早稲田大学を卒業後、一般企業に就職するもデザインの道を志し、東京デザイン専門学校で学ぶ。編集制作プロダクションで実用書を中心とした書籍編集・イラスト制作を経験した後に独立。現在はWebメディア向けに活動中。自身の出産体験や子育てについてnoteに掲載している。