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発見! あぶない家 第7回 「空き巣犯」はここを見ている! マンション・アパートでも要注意

2021年09月30日 07:01  マイナビニュース

マイナビニュース

画像提供:マイナビニュース
空き巣犯が、どんな家に狙いを定めるのかを、前回は戸建てに関してお話を致しました。今回は共同住宅(マンション・アパート)に関してお話をしたいと思います。


空き巣犯は、公園・月極駐車場・コンビニ・大型商業施設など、不特定多数の人が行き来する場所や、コインランドリー・バス停・自動販売機など、そこに人が居てもおかしくない場所が、下見をするのに好都合の環境だと、前回もお話ししました。



共同住宅ではこれ以外に、お住まいの物件と同じくらいの高さの建物が近くにある、各戸の玄関がよく見えて観察できる場所が近くにある、なども追加されます。あなたが住まわれている物件がここにあげた環境にあったら、特に注意が必要になります。



空き巣犯が「あっ、あの部屋留守だな」と判断するポイントは、夕方日が暮れても洗濯物が干したままになっている、雨が降っていても洗濯物が干したままになっている、夕方日が暮れて暗くなっても室内灯が点いていない、集合ポストに新聞や郵便物が溜まっている、集合ポストに宅配の不在票が入っている、玄関前の共用通路に置き配してある、などです。



共同住宅では、その建物自体が空き巣犯が犯行しやすい好都合な建物かもポイントになってきます。例えば、オートロックが無い、オートロック付きの共同住宅であっても雨樋を登って上層階のベランダに侵入できる、集合ポストに鍵が付いていない、単身者用の物件が最も好まれます。



どうですか? 意外に多いことに驚かれているのではないでしょうか。共同住宅だからと安心していたあなた。あなたの住まわれている物件は大丈夫ですか?



空き巣犯に留守と判断されないように、対策することが重要になってきます。

前回でもお話ししたように、帰宅が日が暮れてからになる時や、天気予報で雨が降るような時には、洗濯物は室内干しにし、暗くなったらベランダ側の部屋から灯りが漏れるように、室内照明を点けて出掛けるか、タイマー付きの照明器具やスイッチに換え、タイマーを活用して、日が暮れたら室内照明が点くようにしていただきたいです。



カーテンも開けたままにせず閉めてください。ただし、ドレープカーテンは全部閉めずに少しあけておいて、室内照明の明かりが、そこからしっかり漏れるようにしてください。



集合ポストの新聞・郵便物は、こまめに取ることはもちろん、チラシなども溜めることのないようにしていただきたいです。長期留守にする場合は、新聞の配達を停める、郵便物も郵便局留めにするなどの手配を忘れずにしてください。



宅配便の不在票に関しては、それを見られたり抜き取られたりすることを、知らない方が多いのが現実です。不在票が集合ポストに入っていれば、そこの部屋は確実に留守だと分かります。



私もそうですが、今は、このコロナ禍で通信販売を利用し、買い物をされる方が多くなっています。利用する時には、確実に受け取れる日時に指定日配達にしたり、受け取り日時や場所を指定したりできる便利な宅配業者のサービスもありますので、ぜひ活用していただきたいですね。置き配はとても便利ですが、玄関前に荷物があれば、その部屋が留守の確率は高いはず。また、その荷物を盗る置き配盗もありますので、置き配の利用は、あまりおすすめできません。



いかがですか? 家は戸建てでないから大丈夫よね、と思われていたあなた、意識が変わられたのではないでしょうか。これからの時期は、空き巣の被害がグンと増えます。空き巣犯は戸建て住宅、共同住宅関係なく留守宅を狙ってきます。共同住宅だからと安心せずに、日頃から防犯を意識した「防犯生活」で犯罪被害に遭う確率をグンと低くしていただきたいと思います。



あなたとあなたのご家族・財産を守るのはあなたです!



一般社団法人 日本防犯学校学長/防犯ジャーナリスト : 梅本正行 うめもとまさゆき 1964年からセキュリティ事業に参入し、警察署での署員特別教養講師や犯人逮捕への協力など、警察からの感謝状は400枚を越える。侵入犯罪の現場には極力足を運び、犯罪現場の環境や犯行手口など、事件の内容を検証。その数は8,000件を越え、今もなお増え続ける。現在、犯罪者心理を知り尽くしたプロの目で、防犯ジャーナリストとして活躍。テレビ・ラジオ・新聞・雑誌等で予知防犯対策を提唱している。また、行政・自治体・民間企業等でのセミナーや講演も多く、人情味あふれる独特のキャラクターで予知防犯対策の重要性と人の命の尊さを呼びかけている。通称「防犯の梅さん」。 防犯対策責任者の育成にも力を入れ、養成講座を開講する傍ら、犯罪抑止に力を注ぐと共に経済産業省の「省エネ・防犯情報提供事業研究会」の委員として参画していた。現在は地域の防犯ボランティアの育成や防犯住宅を造る工務店の育成を全国で行っている。 一般社団法人 日本防犯学校 この著者の記事一覧はこちら(梅本正行)