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『東京卍リベンジャーズ』最新刊で衝撃の展開? マイキーが放った言葉の意味を考察

2021年09月29日 17:01  リアルサウンド

リアルサウンド

『東リベ』最新刊、マイキーの謎の言葉
週間ベストセラー【コミックス】ランキング(2021年9月22日トーハン調べ)

1位 『東京卍リベンジャーズ』(24)和久井健 講談社
2位 『ダンジョン飯』(11)九井諒子 KADOKAWA
3位 『東京卍リベンジャーズ』(23)和久井健 講談社
4位 『ゴールデンカムイ』(27)野田サトル 集英社
5位 『ONE PIECE』(100)尾田栄一郎 集英社
6位 『怪獣8号』(4) 松本直也 集英社
7位 『終末のワルキューレ』(12)アジチカ(作画)/梅村真也(原作)/フクイタクミ(構成) コアミックス
8位 『ゆびさきと恋々』(5) 森下suu 講談社
9位 『ジョジョリオン』(27) 荒木飛呂彦 集英社
10位 『東京卍リベンジャーズ』(9)和久井健 講談社


 最新のコミックスの週間ベストセラーランキング(2021年9月22日トーハン調べ)の結果は、上記のとおり。ついに100巻に到達した5位の『ONE PIECE』(尾田栄一郎)や、単行本の累計発行部数が400万部を突破した6位の『怪獣8号』(松本直也)など、いくつもの話題作がランクインしているが、やはりこの中で最も注目すべきは、首位(および3位・10位)の和久井健『東京卍リベンジャーズ』だろう(新刊発売にあわせて展開された企画「日本リベンジャーズ」も大好評。また、最新のニュースでは、単行本の累計発行部数は4000万部を突破したとのこと)。


 『東京卍リベンジャーズ』は、中学卒業以来さまざまなことから逃げてきた26歳のフリーター・花垣武道(タケミチ)が、ある時、タイムリープ能力を発現させ、かつての恋人の死を防ぐために、12年前(中学時代)の過去に何度も戻って奮闘する物語だ(その恋人の死に絡んでいるのが暴走族「東京卍會」であり、タケミチはチームの内部から東卍[トーマン]を――いや、“未来“を変えようとする)。


 なお、今回首位となった最新刊(第24巻)では、物語はついに最終章に突入し、これまでのストーリー展開とは大きく異なる色合いを見せ始めている。


※以下、ネタバレ注意。


 では、何がこれまでと大きく異なっているのかといえば、それは、タケミチのタイムリープの目的だ。前述のように、もともとの彼の(2回目以降の)タイムリープは、かつての恋人――すなわち、橘日向(ヒナタ)の命を救うためのものであった。しかし、最終章での彼は、そのヒナタではなく、東京卍會の元総長・佐野万次郎(マイキー)を“闇”から救い出すために、またしても過去へと戻っていくのである(注・これまでのタイムリープの行き先は「12年前」だったが、今回は「10年前」であり、タケミチは高校生になっている)。


 そこであらためて気になるのは、マイキーの存在である。これまでのタケミチは、最初のタイムリープを除いて、ヒナタの弟の橘直人(ナオト)をトリガーとして、幾度となく12年前へと戻っていた(具体的にいえば、ナオトと握手をすることで、比較的容易に現代と過去とを行き来できていた)。ところがこの最終章では、タケミチはナオトではなく、現代(2018年)のマイキーをトリガーとして、10年前へとタイムリープしてしまうのだ。


 この展開からいくつかの“マイキーの正体”が推測されるが、いまはまだ適当なことを書くのは控えておこう。ただ、第207話の最後で、彼がぽつりと呟く「来たか… タケミっち」というセリフが、かなり重要な意味を持っているということだけは、いまのうちに指摘しておきたい。


 なぜならばマイキーは、そのセリフをタケミチの姿を見ながらいっているわけではなく、遠く離れた場所にいながら、未来のタケミチが2008年に「来た」ということを(握手をした右手で?)“感知”していっているのである。ちなみにその種の能力は、同じトリガーである(過去の)ナオトにはなかった(少なくとも、そういう描写はなかった)。


 果たしてマイキーこそが、この物語の“黒幕”なのか。あるいは、タケミチと同じタイムリープ能力を持っているのか。後者だとしたら、タイトルが「リベンジャー“ズ”」と複数形になっている意味が明らかになるわけだが、その真相はまだわからない。


 だが、仮に、彼がなんらかの形で、この物語を最初から陰で動かしていた存在だったのだとしたら、第8話(第2巻)で千堂敦(アッくん)がタケミチにいった、「過去に戻って オマエが助けたいのは“アイツ”か…」というセリフの“アイツ”が、いったい誰のことを指していたのか、もう一度あらためて考えてみる必要があるだろう。そう、この時の敦は明らかに“何か”を知っており、続けて「“究極の愛”だな」ともいっているのだが……もしかしたら彼がいっていた“アイツ”とは、橘ヒナタのことではないかもしれないのだ。


 いずれにせよ、いま最も勢いに乗っているこの漫画の最終章から、ますます目が離せなくなったのは間違いないだろう。


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