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JR東日本「錦糸町駅電留線E217系撮影会」6編成が並び、自由に撮影

2021年09月29日 07:02  マイナビニュース

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画像提供:マイナビニュース
JR東日本千葉支社は、「JRE MALL」千葉支社初出店商品第1弾となる「錦糸町駅電留線E217系撮影会」を9月24日に開催した。錦糸町駅の総武快速線ホームに隣接する電留線で、E217系などの電車が留置されている様子を見る機会は多いと思うが、一般利用者は立ち入ることができない。今回はJR東日本千葉支社が販売する体験型イベント第1弾として、普段入れない電留線でE217系の並ぶ姿を撮影できる機会が設けられた。


錦糸町駅の電留線は、駅西側(東京方)の大横川親水公園をまたいだあたりから千葉方面に向かって左側へ分岐。駅東側(千葉方)は行き止まりとなっている。今回の撮影会では、電留線の東側で約30分、西側で約25分に時間を区切って撮影が行われた。



まずは電留線東側から撮影。電留線東側への入口は錦糸町駅から四ツ目通りを隔てた線路沿いにある。線路際まで上がると、車止めの向こうにE217系が6編成並んでいた。通常の営業線に近い側から0~5番線の順で線路に番号が割り振られており、参加者はロープで仕切られた撮影スペースからそれぞれの視点でE217系を撮影した。


E217系には11両の基本編成と4両の付属編成が存在し、最大で15両編成になる。電留線に並んだ6編成の中には基本編成のみの車両もあり、電留線東側からだと15両編成より少し奥に停まっているように見える。その分、15両編成の車体側面が見やすくなっていた。撮影会の途中、電留線の3番線に停まっていたY-50編成の出区点検を行うため、すべてのドアを開ける時間帯があり、その様子も見ることができた。



撮影会が行われている間も、総武快速線では通常の営業列車が走っている。普段入れない場所から、電留線に留置されている車両と錦糸町駅付近を行き交う列車を撮影できる貴重な機会となった。ただし、錦糸町駅の4番線ホームから発車する総武快速線の列車(千葉方面)に関しては、撮影スペースから近い線路を通るため、列車接近時にスタッフが手旗で合図を送るとともに、安全確保のため、その場から動かずに撮影を行うようスタッフが案内していた。


電留線東側での撮影が終わり、続いて電留線西側からの撮影となる。電留線西側の出入口は錦糸町駅にあるため、再び四ツ目通りをまたいで移動。電留線西側での撮影も東側と同様、ロープで仕切られたスペース内で行われた。電留線東側では15両編成と11両編成で先頭車両の位置が異なっていたが、電留線西側では全編成の停止位置がそろっており、迫力ある光景となった。



電留線西側には車止めがないため、東側よりも比較的広く、撮影しやすい。線路の分岐に沿って5番線付近まで足場が伸びているため、撮影スペースの奥、つまり列車に近い位置から撮影を始める参加者が多かった。各々自由に撮影を楽しみ、中には望遠レンズや三脚を持参し、離れた位置からベストショットを狙う人も。念のため説明すると、今回の撮影会において、三脚・脚立はスタッフの許可の下、撮影者自身と周囲の安全に注意した上で活用されていた。通常の駅構内・ホーム上では、他の利用者の迷惑になるので避けてほしい。


電留線西側での撮影中も、通常の営業列車が電留線の横を通過し、E217系の後継となるE235系も走行していた。撮影会の終盤、E217系の君津行が錦糸町駅に到着し、一瞬だがE217系7編成の並びが実現する場面も。多くの参加者らが、電留線のE217系6編成と君津行のE217系にカメラを向け、撮り終えたところで今回の撮影会も終了となった。



ちなみに、JR東日本千葉支社が発表した「錦糸町駅電留線E217系撮影会」のニュースリリースではE235系も並んだイメージ写真を掲載していたが、実際の撮影会はすべてE217系で占められていた。今後、横須賀線・総武快速線でE235系への置換えが進むことで、この姿も貴重な記録になっていくだろう。


横須賀線・総武快速線のE217系は1994(平成6)年12月にデビュー。軽量ステンレス製の拡幅車体(2,950mm)で、近郊形電車としては初の片側4ドアとなったほか、乗務員室後部のクラッシャブルゾーンなど、その後の車両に継承された要素を最初に取り入れた車両でもある。登場時のラインカラーはクリーム色と紺色で現行仕様よりも濃く、車体前面のロゴマークも「E217」とラインカラーをあしらったデザインだった。



2008(平成20)年頃から行われた機器更新により、走行機器が換装され、ラインカラーの色調や前面ロゴマークの変更も行われた。現在も横須賀線・総武快速線を中心に、総武本線・成田線・内房線・外房線・鹿島線で活躍中だが、後継となるE235系が昨年から運行開始しており、E217系を見られる時間は少しずつ終わりに近づいている。



電留線西側での撮影終了後、屋内に移動し、千葉運輸区の現役運転士・車掌によるミニ講演会が行われた。スライドを交えて進行する現場社員の講演に、参加者らは相槌を打ちつつ、興味深く聞いていた様子。講演会終了と同時に今回のプログラムは終了となり、ノベルティとしてE217系登場時の前面ロゴをプリントしたファイバークロスが配布された。



「錦糸町駅電留線E217系撮影会」はJR東日本の運営するECサイト「JRE MALL」にて、千葉支社店出店商品第1弾として発売された。参加費用は1人あたり1万~1万3,000円とされ、8月4日14時から先着15名で参加者を募ったが、販売開始から2時間で完売したとのこと。JR東日本千葉支社の担当者から、「『JRE MALL』で体験型の商品を今後も用意していく予定なので、ぜひ楽しみにしてください」とのコメントもいただいた。(若林健矢)