フェラーリのシャルル・ルクレールは、ランド・ノリス(マクラーレン)が日曜日の夜に“かなりの罪悪感”を抱えてソチを発つことになるだろうと語った。それは、ノリスがF1第15戦ロシアGPで首位を走行中に間違った戦略を選んだためだ。しかしルクレールは、ノリスが代償の大きいミスから学ぶだろうと主張している。
ノリスは13周目から他の追従を許さないリードをしており、あと残り数周の時点で降り始めた雨が彼のレースを台無しにするまでは、ルイス・ハミルトン(メルセデス)ですら寄せ付けないように見えた。
悪化するコンディションのなか、各チームやドライバーがインターミディエイトタイヤに履き替えるか否かを検討している時、ノリスはステイアウトする戦略を採ったが、一方のハミルトンは49周目にピットストップを行った。
ノリスの判断の代償は大きかった。土砂降りの雨は激しさを増し、ノリスを含むスリックタイヤを履いたままのドライバーたちは、ピットストップを行わざるを得なくなった。隊列に再合流したノリスは順位を落として7位フィニッシュとなってしまい、自身初のグランプリ優勝の輝かしいチャンスを失ってしまった。
「彼がどのように感じているか想像できるよ。それに彼はあのような状況での決断に関わっているから、とても大きな罪悪感を感じているだろうね」とルクレールは思いやりのあるコメントをした。
「だけど彼は素晴らしいドライバーだ。今シーズン彼はそのことを頻繁に示していると思う。今シーズンの彼はとても強い。僕は彼がこのことから学ぶだろうと確信している」
「彼が初優勝を飾るのは時間の問題でしかない。彼は自分のしたレースの後で、それほど落ち込む必要はないと思う」
ノリスと仲の良い友人であるジョージ・ラッセル(ウイリアムズ)は、不運や状況のせいで初優勝を逃してしまう辛さを知っている。彼は去年1戦限りでメルセデスから参戦したサクヒールGPで優勝に近づいたからだ。ラッセルはルクレールの気持ちに共感し、ノリスの勝利はすぐそこだという彼の意見に同意した。
「すべてのドライバーにとっての最悪の悪夢は、レースをリードしている時にバイザーに雨がつくのが見え始めることだ」とラッセルは語った。
「ピットに入るのも最悪だし、ピットに入らないのも最悪だ。どちらをとっても不利な状況になるんだ」
「僕は経験したことがある。それはすごく辛いことだ。だけど彼は立ち直るよ。努力してそこから何かためになることを得ることができるだろう。そして遅かれ早かれ彼は勝利をつかむと思うよ」