河野太郎行政改革大臣の「副業推進発言」がネット上で波紋を呼んだ。河野氏はUber配達員と意見交換し、「副業で収入を増やせるのは非常にいいこと」などと発言した。これに対しネットでは「副業の前に、本業だけで生活できるようにして」などと反発の声が相次いだ。
ごもっとも。本業で週40時間働いて、さらに副業までするのが「当然」になったら大変すぎる。ただ、ボクみたいに複数の仕事を組み合わせていくという働き方もある。「複業」Uber配達員として、感じていることを話してみたい。(文:飯配達夫)【連載第7回】
やってみようと思ったら
「Uberって疲れませんか?」
この質問、結構多い。自転車というのはかなりカロリーを消費する運動だ。馴れないうちはとても疲れる。だから体力に不安があるのなら、躊躇なく電動アシスト自転車かスクーターを選ぶべきだと思う。坂の多いエリアなら尚更だ。
普段運動不足の人が、ママチャリでフル稼働なんてしたら、本業に差し障る可能性が高い。無理しても仕方がないので、楽できる部分は楽した方が正解だ。
お金の話もしておきたい。首都圏に関して言えば、一番稼げるのは23区内だ。ただ、その23区内もエリアごとに濃淡があるし、繁忙期や閑散期もある。稼働する時間帯によっても結果が変わってくる。結局、個人差が激しいのだが、ある程度馴れれば自転車なら1日1万円?1万5千円くらい、バイクなら2万円くらいは稼げると思う。
もし自分でやってみようか迷ったら、地元の配達員から直接話を聞くことをお勧めしたい。Uber Eatsで注文し、届けに来た配達員に質問するのだ。答えてくれるとは限らないが、なんと言っても生の情報である。もし周辺エリアの状況が教えてもらえたら、とても参考になるだろう。
週末に1日だけやってみるのも良いと思う。週末は平日より「鳴る(依頼が来る)」からだ。ちょうど9月22日から近距離での配達を徒歩で行う「Uber ウォーカー(https://www.uber.com/ja-JP/newsroom/walker_expansion/)」という仕組みが始まった。配達用のバッグは必要だが、自転車は使わないので、お試し稼働のハードルが下がると思う。
10キロ近く痩せられた。
Uber配達員に向いているかは、結局その人次第のところが大きい。でも、もう4年以上続けていることを考えると、どうやらボクには向いていたらしい。
完全に自分の都合にあわせて働ける。シフトがないので、勝手に勤務日程を決められてしまう心配がない。一人で完結するので、年下の上司にこき使われることもなければ「サラリーマンなのに、なぜこの仕事を?」などと詮索されることもない。
嫌になったら後腐れなくやめられる。チームで動かないし、事務所に顔を出す必要もない。試しにやってみて、つづけられそうにないと感じたら、誰にも迷惑をかけずにやめられる。だから挑戦しやすい。
天気の良い日、アプリに導かれるまま知らない道を走り抜けるのは、ちょっとした気分転換になる。新しい飲食店も開拓できるし、高級マンションやファンシーなホテルにも入れる。ゲーム的要素があって飽きないのだ。
健康面でも、有益かもしれない。実際、筆者はUberを始めて10キロ近く痩せた。ワークアウトが大好きなあなたには、是非ともクロスバイクで配達することをお薦めしたい。