すっかりおなじみの光景となったUber Eats配達員の姿。街のあちこちで見かけるものの、そのリアルな実態は知られていない。2017年から兼業配達員を続け、6000件を配達したライターの飯配達夫さんに、当事者しか知らない赤裸々エピソードを寄稿してもらった。(文:飯配達夫)【連載第4回】
配達員を延々待たせる客
コロナ前のある時期から増えてきたパターンだが、「配達員を延々待たせる客」が一定数いる。
そうなる理由の多くは、配達までの待ち時間を嫌い、帰宅前に注文を済ませるからだ。いちばんよくあるのが「帰宅途中の電車から注文」のケースだ。
Uber Eatsに慣れてくると、利用者も「だいたい、これぐらいじゃないかな」と配達タイミングを予測するようになる。しかし Uber では注文から配達までの時間が案外読みづらい。お待たせすることもあるが、予想外にスムーズな配達が実現する場合もある。
そうなると、配達員がすでに自宅に到着しているのに、本人はまだ帰宅途中だ、というケースもある。
この場合、割を食うのは配達員である。いくら待っても待機は収入の足しにならない。利用客が帰宅するまで、ひたすら無為な時間を過ごすことになる。利用者もバツの悪い思いをするのでアンハッピーだ。
そんな、どうしても配達待ちしたくないときは、帰宅途中の店でテイクアウトするのも一手だろう。実は、Uber Eatsにも「自分で持ち帰る」オプションを選べる店もある。ようはアプリで予約した店まで、自分で取りに行くのだ。アプリで手軽に注文できるうえ、配達よりも割安なので、選択肢の一つとして考えても良いと思う。