GPDA(グランプリ・ドライバーズ・アソシエーション)会長のアレクサンダー・ブルツは、F1第14戦イタリアGPでのルイス・ハミルトン(メルセデス)とマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)の接触について彼らと話をする予定だと述べているが、今シーズンはふたりの間でコース上での衝突がさらに起きるのではないかと懸念しているという。
フェルスタッペンとハミルトンは今週ソチで激しいタイトル争いを再開することになるだろう。フェルスタッペンは今季2度目となった宿敵ハミルトンとの接触に関与したため、スチュワードに3グリッド降格ペナルティを科されてのロシアGPとなる。
GPDAを統括する元F1ドライバーのブルツは、両ドライバーはイタリアで“プレッシャーに押しつぶされた”と考えている。ブルツはレースへの大きなエゴを持つF1のふたりの主役と話し合いをする予定だ。
「話し合いをする予定だが、走行中にそうした決断をすることから自身を切り離す必要がある」とブルツは『Sky Sports』に語った。
「彼らは人間であるから、両者ともトラブルのあったピットストップや、どのようにレースが展開したかについて腹を立てているし、チャンスは1度しかないことを分かっている」
「この場合はおそらくある程度、ふたりともがこのプレッシャーに押しつぶされたために衝突したのかもしれない」
チャンピオンシップはフェルスタッペンとハミルトンが僅差で争う展開となっているため、今季ふたりの間でさらに小競り合いが起きる可能性が高いとブルツは考えている。
「正直、その可能性は高いと考えている。ふたりとも自分の縄張りを守らなければならない。それがスポーツだ。ボクシング、サッカー、ハンドボールなど何であれ、ふたりの偉大な選手が近づくとそうしたことは起きるものだ」
だがブルツは、フェルスタッペンとハミルトンのコース上での激しい争いは、互いに対する尊敬を損なっていないと主張した。
「マシンを降りたところで私はふたりと話をし、彼らが互いに話し合う。そして互いに深い敬意を払う。それを見るのは本当に素晴らしいことだろう」
「しかし一方では、『コース上には勝つためにいる。F1世界選手権のタイトルを獲るためにここにいる』ということもあるだろう。これはスポーツの世界で獲得できる最も権威のあるタイトルのひとつだ。彼らは戦わなければならないが、それはゲームの一部だ。できれば互いのためだけではなく、彼ら自身のチームと結果に対し、必要な敬意を払うことができるといいのだが」
「1位でフィニッシュするためには完走しなければならない。彼らにはあまりにも多くのクラッシュを起こしている余裕はないのだ」