F1第14戦イタリアGPで、フェラーリのカルロス・サインツがモンツァのウォールに衝突した際、シートベルトが伸びて身体が前に傾く場面があった。FIAはこれについて、安全性の面で調査を行う予定だという。
サインツは土曜日のFP2において、アスカリ・シケイン中程でクラッシュし、イン側のバリアにほぼ正面から衝突した。オンボード映像では、大きな衝撃のためにサインツの身体が前方に倒れる様子が見られた。
サインツのヘルメットがステアリングホイールにぶつかったのかどうかは不明だが、前方に倒れる動きが通常より大きかったため、フェラーリとFIAの双方がこのインシデントについて独立した調査を行うことになった。幸いなことにこのインシデントでサインツに怪我はなかった。
FIAのレースディレクターを務めるマイケル・マシは、前方から衝撃を受けた際にシートベルトがわずかに伸びることは予想外のことではなく、そのことが人体が衝撃に耐える役に立つと述べた。しかしさらなる安全性向上のため、調査を行う必要があると考えている。
「ベルトは伸びるように作られていると思う」とマシは語った。「そこに人間の身体がある場合、余裕を持たせなければならない」
「常に完全に縛り付けるということはできない。多少の余裕があるべきだからだ」
「大きなインシデントや今回のように重大なインシデントが起きた際には、ベルトの伸びを見て、そこから何が分かるか検討することになる。ベルトを改善できるかどうかは、これから見ていく」
首が前方に大きく倒れることを防ぐために設計されたHANSデバイスが、クラッシュした際に破損したのではないかという推測もあったが、サインツ自身がそれを否定している。
「違う、HANSは壊れていない」とサインツは語った。
「衝撃が非常に大きかったので、頭が大きく前方へ引っ張られ、ベルトも一緒に少し伸びた。でもHANSはそんなことはなかった」
マシは、F1レースウイークエンドに起きた事故を系統的に調査することは、F1における安全性向上のための重要な要素だと考えている。
「私はすべての安全性能をポジティブに受け止めている。我々の持つ安全性がこれまで改善されてきたことを心強く思う」とマシは語った。
「カルロスのフリー走行2回目でのインシデントは、大きなものには見えないが、実際にはかなり深刻な衝撃を受けていた」
「(F1では)ヘイロー、装置、マシンの設計などすべての面において、全体の安全性を改善するために絶え間ない進化がなされている」