マクラーレンのランド・ノリスは、9月14日(日)に行われたF1第14戦イタリアGP決勝レースの途中、チームメイトのダニエル・リカルドを抜いてトップに立つことも頭をよぎったと明かした。
金曜日の予選ではリカルドよりも上位につけたノリスだったが、土曜日に行われたスプリント予選の結果、決勝はリカルドよりもひとつ後ろの3番グリッドからスタートした。
スタート直後、ルイス・ハミルトン(メルセデス)に抜かれたノリスは、1周目にマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)にやや押し出されるかたちとなったハミルトンをかわし、すぐにポジションを取り返した。
リカルドが先陣を切って22周目でピットインするまでのあいだ、ノリスはハミルトンを抑えて3番手を維持し、自身のピットインまでわずかの間はトップにも立った。そしてその直後、ハミルトンとフェルスタッペンの劇的なアクシデントが発生してセーフティカーが導入された。
ハミルトンとのバトルについて聞かれたノリスは「良かったと思う」と答え、以下のように続けた。
「長引くほど彼が有利になると分かっていたからね」
「最後は追いつかれそうになったけれど、僕はピットインしてマックスとルイスの前方で戻ったんだ。僕自身があのクラッシュに巻き込まれていたかもしれなかった。彼らふたりと同じような終わり方をしていた可能性もあったんだ」
レース再開の時点で3番手にいたノリスは、すぐにフェラーリのシャルル・ルクレールを捉えて2番手に上がった。
「なんとしてでもイン側を取りたかった」とノリス。「芝をすこし削ったけれど、おかげで1-2体制を作れた」
ノリスはレース全般を振り返り、チームとして「最高の週末になった」と語った。マクラーレンが最後にグランプリで優勝したのは2012年で、前回1-2フィニッシュを飾ったのはルイス・ハミルトンとジェンソン・バトンを擁した2010年にまでさかのぼる。
「僕は4年前にこのチームに加わった。このためにずっと仕事をしてきたんだ。そしてついにワンツーを達成した。僕たちにとっていい一歩になったと思う」
「ダニエルが優勝したことはもちろんうれしい。僕が2位に入ったこともね。チームが勝てたことがとにかくうれしい」
「僕たちは週末を通して強かった。レッドブルやメルセデスを抜くほどではないかもしれないけれど、後方にいる彼らを抑えるだけのペースは保っていた」
■「チームの将来を考えれば、最高の結果だったと思っている」
レース中盤、前を走るリカルドのスピードが上がらず、ノリスは後方のルクレールやセルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)に飲み込まれてしまう危険を感じた。
そのため、ノリスはマクラーレンのピットウォールにリカルドへのペースアップ指示を出すよう求めた。無線の雑音から聞こえるその声からは、「そうでなければ自分に先行させてほしい」という含みも感じられた。
レース後、『Sky Sports F1』に対しノリスは「正直に話すよ」と語り、以下のように続けた。
「トライできたと思う。チームに彼らがどうしたいのかを聞いた」
「僕にはトライできるだけのペースがあったと思う。もちろん、ダニエルを捉えられたかどうか断言はできないけれど、少なくともトライできる状態だった」
「もちろん、やってみたかったよ。だけど、僕はこのチームと長いこと一緒にやっている。チームの将来を考えれば、今回は最高の結果を得られたと思っている」
「チームに対して、僕にどうしてほしいのかを聞いたんだ。『行ってもいいか、それとも行くべきではないか?』とね。ほかのふたり(フェルスタッペンとハミルトン)のように途中でレースを終えていたかもしれないのだから、とにかく今はうれしいよ」
「トライしたい気持ちはあったけれど、それと同じくらい強く、2位に入れたことをうれしく思っている。僕はチームプレイヤーで、このチームが大好きだからね。僕は彼らが大好きだ。ある意味で、僕は彼らとともに成長した」
「今回は僕にとって最良の結果だよ。僕自身のチャンスはこれからつかむ。だから今日はすべてがよかったと思っている」
「みんなに大きな声でありがとうと言いたい。ファンのみんなに、そしてチームのみんなに。とにかくうれしい。僕が2位に入ったこと、そしてダニエルが1位になったことがね」