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「子供たちに夢を残してあげたい」若手育成システムの提携継続についてレッドブルと議論/ホンダ山本MDインタビュー

2021年09月07日 11:11  AUTOSPORT web

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ホンダF1 山本雅史マネージングディレクター
ホンダF1の山本雅史マネージングディレクターは、2022年以降の若手ドライバーの育成についてレッドブルと議論していると明かした。山本MDによれば、まだ正式には決まっていないものの、何らかの形でレッドブルとの提携やパートナーシップを続けていくという方向性で話し合いを進めているという。また現在FIA-F3に参戦している岩佐歩夢についても、来年以降の去就に関してFIA-F2への昇格も含めて様々な選択肢を検討していると語った。

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──まるでホンダの地元のような歓迎ぶりでしたね。

山本雅史マネージングディレクター(以下、山本MD):オランダにきて、鈴鹿(でのレース)がないことをさらに寂しく感じています。

──ホンダは今シーズン限りでF1から撤退します。育成システムはどのようになりますか。

山本MD:まだ正式な話はできませんが、レッドブルとホンダで今、いい形で話を進めています。レッドブル・ジュニアとホンダのHFDP(Hondaフォーミュラ・ドリーム・プロジェクト)、ホンダ育成プログラムとで掛け算をしていい状態になるように、と。たとえば角田(裕毅/アルファタウリ・ホンダ)はHFDPからヨーロッパに挑戦して、レッドブル・ジュニアとともに大きく羽ばたき、F1ドライバーになった。そう言ったことも含めて、ホンダとしてもレッドブル・ジュニアのプログラムとしても日本国内とここのF3、F2含めてなんらかの提携、パートナーシップを今後も続けていこうという話を今行っています。

──それはホンダの社内で決定しているのでしょうか?

山本MD:やる方向で話をしているし、モータースポーツ部長の長井(昌也)もやるべきだ、と。大きくいうとSRS(鈴鹿サーキットレーシングスクール)のK(カート)とF(フォーミュラ)は鈴鹿でお願いしてやっている関係上、僕は子供たちにこのフィールドに対して夢を残してあげたい。努力して頑張ってもらいたい。速いドライバーというのは、環境を含めて世の中の景色が変わっていくなかで生まれてくるものだと考えているからです。角田がいい例だし、そう言った意味では長井とは、ホンダとしてレッドブルとの育成プログラムは継続するべきだという部分では意見が一致しています。あとは、ホンダは今年でF1からいなくなるので、どういった形で繋げようかという議論を今レッドブルとしているところです。

──レッドブルとの話し合いはどんな雰囲気なのでしょうか。

山本MD:レッドブル・ジュニアとHFDPの育成プログラムについては、(ヘルムート・)マルコさんもいいよねと言っています。それは角田という速いドライバーが出てきたという実績もあるからです。また今日(土曜日)のF3のレース1では岩佐(歩夢/ハイテックGP)が表彰台を獲得。マルコと一緒にそのレースを見ていましたが、マルコは岩佐のことも褒めていました。あとは他のものも含めていろいろと議論している段階です。それ(ふたりのドライバーのこと)だけを話しているわけではありません。

──角田選手と岩佐選手は、来年も継続ですか?

山本MD:角田はホンダの育成ドライバーというだけでなく、レッドブルのF1ドライバーとしての契約があります。今ホンダ育成のドライバーのなかで、ヨーロッパでレースをしているのは岩佐だけ。ですのでそれは継続だし、来年に向けてマルコさんとも話をしています。もちろんいまの走りにマルコさんも僕らも満足しているので、彼について来年どうするかの議論を進めています。非常に性格もいい子です。

──岩佐選手の来年についてはまだ決定していないのですか?

山本MD:決定はしていないです。

──ただホンダもレッドブルもバックアップしていくことは決まっているということですか?

山本MD:それは決まっていますが、オプションを考えています。岩佐の来年に関してはいろいろオプションをマルコさんと話していますけど、いい状態が作れるんじゃないかなと思っています。

──そのオプションのひとつには、今日の成績を見ているとFIA-F2昇格もありますか?

山本MD:もちろんそれもひとつですね。角田と同じように1年で(F2に)上げるというのもオプションだし、F3というのもある部分トップカテゴリーで、グローバルでいうと高いカテゴリーなので、そこでしっかりチャンピオンシップを獲るということも含めてレッドブルと話し合いをしています。