9月4日、FIA-F3のレース1の後、メディアセンターへ戻ろうとしたら、前方はるか彼方にピエール・ガスリー(アルファタウリ)らしきドライバーが自転車を止めて、だれかと話をしていた。かなり距離があったので、近づく前に話し合いが終わるだろうと思い、とりあえず遠くから望遠を効かせて撮影した。
その後、急ぎ足で距離を縮めたが、まだ話し込んでいる。ガスリーが話している相手はレッドブルのヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)だった。
結局、ふたりが立ち話をしている場所に辿り着き、望遠を利かすことなく、肉眼でも表情が確認できるほど近くで撮影。ふたりの表情はとても穏やかで、時折笑顔を見せていたほどだった。
ふたりの会話はその数十秒後に終了し、ガスリーはモーターホームがあるパドックへ。そして、マルコはガレージへと別々の方向へ歩を進めた。そこで、筆者はマルコの後を追い、アルファタウリの来年のラインアップについて尋ねることにした。
まずマルコが口にしたのは、いま立ち話をしていたガスリーについてだった。
「今年のピエールは目を見張る走りを披露している。マシンのポテンシャルを最大限、もしかするとポテンシャル以上のものを引き出しているかもしれない」
そこで、日本人ドライバーについて尋ねると、マルコは「イワサはいいドライバーだ」と岩佐歩夢(ハイテックGP)の名前を口にした。筆者が尋ねたタイミングがF3のレース1が終わったばかりで、そのレースで岩佐が3位表彰台を手にしたからだったのかどうかはわからない。そこで、「アルファタウリの来年のドライバーラインアップはどうなるか?」とストレートに聞くと、マルコはこう答えた。
「来週、発表する」
イタリアGPはアルファタウリにとってホームグランプリ。ガスリーが残留するのは間違いないだろう。あとは、もうひとつのシートをだれに与えるのか。ヨーロッパラウンド最終戦となるイタリアGPは、角田裕毅にとって来年以降のF1がかかった重要な一戦となりそうだ。