アニメーション映画「リクはよわくない」の完成披露舞台挨拶が本日9月4日に東京・スペースFS汐留で行われた。
【大きな画像をもっと見る】「リクはよわくない」は、坂上忍が文を書き下ろし、野性爆弾のくっきー!が挿絵を担当した絵本を映画化したもの。舞台挨拶には坂上とくっきー!、チワワのツトム役の森川智之、ストーリーテラーとなる「ぼく」とナレーションを務めた松本梨香が登壇した。
坂上は「くっきー!と一緒に作らせていただいた『リクはよわくない』という絵本が映画となって完成したという事で今日という日を迎えることができました。とっても素敵な映画になったのでこれから観られる皆さんはぜひ、楽しんでいってもらいたいと思います」と挨拶。くっきー!は「坂上さんにお声をかけていただいて、絵を描かせてもらいましたが、まさか映画化されると思っていなかったので、これから観られる方は(涙を拭くのは)ハンカチでは足りないと思いますので、バスタオルの準備をお願いいたします。こんにちは!」とコメントする。森川は「犬の兄弟全員がしゃべるので楽しみにして下さい!」と述べ、松本は「完成した映画を観させて貰ったんですが、本当に最初から最後まで泣きました。ハンカチを握りしめて観ていただけたらと思います」とアピールした。
公開を控える現在の心境に、坂上は「絵本を作ったときはまさか映画になるとは思ってもいなかったので、森川さん、松本さん含め今ものすごく忙しい声優さんが手を挙げて参加してくださったのは、自分事なんですけど他人事みたいな気分です。すごく素直にうれしいですね」とコメント。絵本を描こうと思ったきっかけについては、「『バイキング』で毎年東北の被災地に寄らせてもらっているときに、たまたま幼稚園の先生から読み聞かせをやってくれませんか?と言われて。読み聞かせはやったことがなかったんですが、やってみたら子供たちがものすごく熱心に聞いてくれてびっくりして。絵本を通して、動物と暮らすということは楽しいこともあるけど大変なこともあるんだよ、と伝えられたらなと思ったことがきっかけです」と振り返った。
作中に登場する個性豊かなキャラクターの制作背景について、くっきー!は「いろんな角度を描かないといけないので、坂上さんに資料をいただいて、ワンちゃんの前、横、後ろ、真上とかを壁一面に写真を貼って描きました。一時、部屋が坂上さんの犬まみれのときがありました。坂上さんのワンちゃんの写真に囲まれてその中に僕が立っていたので、僕が坂上忍さんでした(笑)」と独特の表現で説明。くっきー!の発言を受けて、坂上は「あれだけ詳細な写真を送っているのに大きさがまったく違った。この人あんまり参考にしてないんだなと感じましたよ」と語る。
くっきー!は坂上による物語を読んで「儚いなあと感じた」といい、「結末は描きたくなかった。辛くて、最後の1ページを描くのに凄い時間掛かりました。4年半ぐらい……」と真顔に。しかし坂上は「いや、絵本が出来上がるのに1年間ぐらいしかないのに、4年半はないよね」とツッコむ。くっきー!は「時空がちゃうので人それぞれ時間の捉え方ってちがうんです。精神と時の部屋に入っていたので」と反論するも、MCに「ちょっと、先に進めますね」とスルーされてしまった。
松本、森川も犬と暮らした経験があることから、彼らから受けた影響を問われた2人。松本は「影響を受けたというよりも家族ですね。あの子たちは自分でやれることが少ないので私がちゃんと正面で向き合ってちゃんと育ててあげないといけない、寿命も人間より少ないので短い凝縮した時間を一緒に愛をもって生活したいと思っています」と語る。森川は「犬のおかげで人生が豊かになったと思っています。昔アクセルというラブラドールを飼っていて、天国に行ってしまったんですけれども、今も彼が僕の身体の中にずっといるみたいな気持ちでいます。つまり僕はもう犬です(笑)」とアクセルへの愛を込めた。
収録の際、松本は荒川眞嗣監督から「お母さんが読み聞かせをするように、男の子になら
ないでほしいと言われた」と要望があったと明かす。「犬役での特別な役作りがあるか?」と聞かれた森川は「基本は変わらないです。トム・クルーズの声もやってますけれど、トムの作り方とツトムくんの作り方は『トム』だけに変わりません」とジョークをとばした。
自分にとって動物はどんな存在なのかと問われた坂上は「家族なんですが、くっきー!と一緒に『坂上どうぶつ王国』という番組もやらせていただいてるので、ライフワークといいますか。この先何歳までこの仕事をやるか分からないですけど“動物と関わる”ということは最後までと思っていますので、もしかしたらお仕事よりも長いお付き合いになる、もう1つのお仕事みたいな感覚はあります」と述べた。
本作を観る子供たちに向けたメッセージを求められると、松本は「命の尊さですね。地球は1個しかないけど人間だけじゃなくていろんな動物たちと共存しているよ、ということを感じ取っていただけたらいいな、と思います」とコメント。森川は「(動物を飼うということは)命を預かるということ。命の尊さを感じてもらうとともに、楽しいこと、悲しいこともいっぱいあるので、いろいろ体験してもらい、動物と一緒に心豊かに過ごしてもらうきっかけになればいいなと思います」と思いを込める。くっきー!は「命は1個しかないんだ。すごく切ない映画なんですが、主人公の『ぼく』と坂上さんをだぶらせたら映画を見る目線が変わってしまうと思うので、坂上さんとは別物だと思ってもらえれば。自分なりの『ぼく』を作ってほしい、僕はそれを言いたい」とアピール。坂上は「自分で言うのもなんですが、ストーリーは完璧なんですよ、あんまり完璧だと鼻につくのでくっきー!の下手くそな絵でバランスをとってます」と笑いを誘いながら「観ていただいたお客様の感想がすべてなので、楽しんでいただければ!」と話した。
映画「リクはよわくない」は10月1日に公開。
■ 映画「リクはよわくない」
2021年10月1日公開
□ キャスト
原作:『リクはよわくない』作:坂上忍 / 絵:くっきー!(インプレス刊)
監督:荒川眞嗣
脚本:水月秋
美術監督:菊地正典
編集:重村建吾
製作幹事:MMDGP / チャンスイン
プロデューサー:福井政文、酒匂暢彦、堀裕 治
制作担当:小島勉
絵コンテ:荒川眞嗣
演出助手:明比隆一
アニメーション制作:勝鬨スタジオ / 十文字(制作協力:NIHODO MEDIA)
音響監督:サイトウユウ
音響効果:今野康之
調整:水本大介
録音:稲垣 聡
録音スタジオ:東洋レコーディング
音響制作:チャンスイン
音響制作担当:武久友理江
音楽:佐々木宏人
製作幹事:MMDGP / チャンスイン
配給:東京テアトル / チャンスイン
□ キャスト
ツトム(長男):森川智之
ヨースケ(次男):杉田智和
マルちゃん(三男):森久保祥太郎
パグゾウ(四男):花江夏樹
リク(末っ子):浅野真澄
ナレーション(ぼく):松本梨香
(c)坂上忍/くっきー!/インプレス/MMDGP/リクはよわくない製作委員会