1985年以来、36年ぶりにF1に復活したオランダGP。その舞台は、同じザントフォールトだった。サーキットの基本的なレイアウトは同じだが、いくつかのコーナーのバンク角が変更されたこともあり、あらためて今回ザントフォールトのコースを紹介したい。
まずホームストレート。このサーキットの唯一のオーバーテイクポイントだが、678mしかないので、DRSを使用しても十分ではない。ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)は「ここではオーバーテイクはほぼ不可能」だと語っている。
1コーナーがタイトなので、ピットロードは1コーナーの出口まで伸びている。1コーナーと3コーナーの間は緩やかに曲がっているだけでなく、起伏がある。
続く3コーナーが、ザントフォールト名物のひとつであるバンク角がついたカーブで、2コーナーから降りながらのアプローチとなるため、進入する際にクリッピングポイントがわかりづらい。バンク角は19度と、最終コーナーよりもきつい。
この3コーナーの後、7コーナーまではほぼ全開なので、コーナー脱出時の加速が重要となる。
4から6コーナーまでの3つのコーナーは緩やかなS字。写真は望遠レンズで撮影しているため、Rがきつそうに見えるが、F1マシンはほぼ全開だろう。
7コーナーは本コース自体には大きなバンク角はついていないが、ランオフエリアがバンク状となっている。ここは事実上、最初の高速コーナーとなるため、コースアウトするマシンが多いのか、コース脇には3台の大型クレーン車が待機している。
7コーナーから8コーナーにかけては緩やかな登り。8~10コーナーの低~中速コーナーを抜けると最初のDRS区間となる短いストレートがある。
この短いストレートエンドにある11~12コーナーはキンクとなっている。最終コーナーへ加速していきたいため、ここでは速度を落としたくない。また11コーナーの縁石が高くなっているため、ミスを犯しやすいコーナーでもある。
13コーナーは7コーナーと同じようにランオフエリアだけにバンク角がつけられた中速コーナー。
そして、この13コーナーを抜けると、最終コーナーであり、このサーキットの最大の目玉とも言える14コーナーが待っている。このバンク角は、3コーナーの19度よりも1度低く18度となっているが、インディアナポリス・モーター・スピードウェイの最大バンク角が9度であることを考えると、かなりの急勾配であることは確か。角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)も「こんなバンク角は見たことがない」と驚いていたほど。その凄さはこの写真を見れば、おわかりだろう。