ここ数年、グランプリ前のトラックウォークを行っていなかったマックス・フェルスタッペンだが、F1第13戦オランダGPを前にした木曜、舞台となるザントフォールト・サーキットを歩いて下見した。ザントフォールトでは長年F1レースが開催されてきた後、1985年で中断。今年、36年ぶりにグランプリが行われる。
久々のグランプリ開催に向け、サーキットは大幅に改修された。オランダ出身のフェルスタッペンは、昨年3月にこのサーキットを走る機会を得ている。
「エンジニアたちがトラックウォークをしたいというので、僕も参加した。個人的には必要なかったんだけどね。このサーキットのことは知っているから」とレッドブル・ホンダのフェルスタッペンは木曜に語った。
「(F1復帰のために)主催者は素晴らしい仕事をしたと思う。グランプリを開催できるようにすべてを作り上げた。今週末、すべてを楽しみたい。もちろん、いい結果を出したいと思っているよ。搭載燃料を少なくしたマシンで走る予選は最高だろうね。真のスピードを経験できるんだ」
オランダGPは当初2020年に開催される予定だったが、新型コロナウイルス感染症のパンデミックの影響で中止となった。コース改修作業は2020年のグランプリに合わせて2019年にスタート。『フーゲンホルツ』と『アリー・ルイエンダイク』のコーナーには、インディアナポリスより強いバンク角が設けられ、他のいくつかのコーナーにも修正が加えられた。
「皆がバンクに興味を持っているよね。実際歩いてみたところ、特別な感じがした。他のサーキットにはほとんどないものだからね。大きな特徴になっていると思う」とフェルスタッペン。
「最終コーナーは余裕で全開でいけるけど、ターン3ではいくつかのラインの選択肢がある」
このサーキットの設計者ジョン・フーゲンホルツは、鈴鹿サーキットの設計に関わったことでも知られる。
ザントフォールトでは、鈴鹿サーキットに似た興奮を味わえる部分があるかと聞かれ、フェルスタッペンは「同じ人が設計したんだから、そうかもしれないね」と答えた。
「鈴鹿のように、ザントフォールトはどちらかというと昔ながらのサーキットだ。ランオフが多少変更されているけれど、それでもミスをしたらひどい目に遭う」
「ここで経験するフィーリングは、たとえば鈴鹿のような感じだと思うよ」
オーバーテイクはたやすくはないと、フェルスタッペンは予想している。
「難しいだろうね。でもポジティブに明日を待つとしよう。土曜(予選)にトップに立てれば、オーバーテイクの心配はそれほどしなくて済むからね」
RB16Bにおいてザントフォールトで有利になる点はと聞かれ、フェルスタッペンは「もっと細かい部分、つまりマシンのセットアップの方が重要だ」と答えた。
「コースによっては、ライバルよりも僕らのマシンとの相性がいい場合もあるが、このサーキットについてはデータが全くない。だから実際走ってみるまで分からないよ」
「過去の情報がないから予想するのは難しい。最初のセットアップは多少ギャンブルのようになるだろう。でもFP1を走った後には、方向性が見えてくるはずだよ。僕たちはシーズンを通して高い競争力を発揮してきているから、ここでも表彰台、あるいは優勝を狙って戦いたいと思っている」