WEC世界耐久選手権に参戦するユナイテッド・オートスポーツが2022年シーズンの参戦体制を一部発表、LMP2クラスにおいて2台へと参戦体制を拡大するとともに、ディフェンディング・チャンピオンのフィリペ・アルバカーキ、そして現在15歳のアメリカ人、ジョシュ・ピアソンを起用することを明らかにした。2022年、ピアソンは史上最年少でのル・マン・デビューを飾ることになる。
ユナイテッドASはWECへのデビューシーズンとなった2019/20シーズン、および現在の2021年シーズンで1台のマシンを走らせているが、2022年はオレカ07・ギブソンを1台追加し、2台体制を採る。
アルバカーキとフィル・ハンソンは2019/20シーズンにLMP2のタイトルを獲得。このコンビには1戦を除きポール・ディ・レスタが加わっており、このトリオでル・マンを含むシーズン4勝を挙げていた。
チームは以前に、2021年シーズンにおける体制拡大に関心を示していたが、最終的には1台のエントリーに落ち着いている。今季はアルバカーキとハンソン、ファビオ・シェーラーがレギュラードライバーとして22号車をドライブしている。
なお、ユナイテッドASはすでにELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズにおいて2台のLMP2車両を走らせており、昨シーズンにタイトルも手にしている。
WECおよびELMSチャンピオンであるアルバカーキは、このイングランド/アメリカンチームで6年目のシーズンを過ごすことになる。
ウェイン・テイラー・レーシングのアキュラARX-05で北米のIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のDPiクラスにも参戦しているポルトガル人のアルバカーキは、2017年のELMSプログラムで初めてユナイテッドASに加わっていた。
ユナイテッドASの共同オーナーであるリチャード・ディーンは、次のように述べている。
「フィリペと6年目のシーズンを過ごせることを歓迎する。我々はともに多くの成功を収めてきたので、その関係を継続することは理にかなっている」
「来季、2台のオレカLMP2を投入することを確約でき、興奮している。一方のクルマにはフィリペ、そしてもう1台にはピアソンを乗せる」
WECとIMSAが2022年の暫定カレンダーにおいて、“スーパー・セブリング”の週末を除き日程の重複を回避したことで、アルバカーキは双方のシリーズにフル参戦をすることが可能となっている。2021年、アルバカーキはIMSAとの日程重複のため、WEC第2戦ポルティマオ8時間レースを欠場していた。
「2022年もユナイテッドとの関係を継続し、WECとル・マンに再び参戦できることをとても嬉しく思う。リチャードとザク(・ブラウン)が、僕を信頼してくれたことに感謝したい」とアルバカーキは語っている。
また、アルバカーキの再契約に先立って加入が発表されたピアソンは、現在アメリカのジュニア・フォーミュラレース、USF2000にパブスト・レーシングから参戦し、ランキング4位につけている。
2006年生まれで現在15歳のピアソンは来年、16歳と4カ月4日でル・マンの史上最年少スターターとなる予定だ。現在の最年少記録保持者は、同じくアメリカ人のマット・マクマリーで、2014年にグリーブス・モータースポーツのザイテックZ11SN・ニッサンのステアリングを握り、16歳6カ月21日でル・マンデビューを果たしている。
ポートランド出身のピアソンは、今年初頭にレッドブルリンクで行われたテストにおいてすでにユナイテッドのオレカ07・ギブソンをドライブしている。
「ユナイテッドASのような、完成したチームの一員となる機会を得られたことを光栄に思うとともに、感謝しています」とピアソンは語っている。
「この一年での自分のキャリアのスピードに、信じられない思いです。LMP2カーのような速さのクルマをいきなり運転できるとは、夢のようです」
「チームとの将来がどのようなものになるか、楽しみにしています。僕にはひとつのシンプルな目標があります。それは、ユナイテッドが可能な限り最高の結果を生み出すのを助けることです」
チームは2022年のピアソンのデビューに先立ち、新進気鋭のドライバーに「集中的な」テストプログラムを実施する予定だという。すでにピアソンはル・マン24時間レースの週末、チームに帯同しその光景を体験した。
ピアソンの加入について、ブラウンは次のように述べている。
「彼は非常にエキサイティングかつ成熟した15歳で、多くの可能性を秘めている」
「我々のWECチームは経験豊富であり、彼のこの冒険を支えることができる。彼がどのように成長するか、楽しみだ」