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WTCRに参戦する唯一の女性ドライバー、ジェシカ・バックマンがアウディ陣営からSTCC復帰参戦へ

2021年09月02日 12:30  AUTOSPORT web

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WTCR世界ツーリングカー・カップでは新型ヒュンダイ・エラントラN TCRをドライブするジェシカ・バックマン
2021年からWTCR世界ツーリングカー・カップにデビューした新型ヒュンダイ・エラントラN TCRをドライブし、名門ターゲット・コンペティションとともに世界戦昇格を果たしているジェシカ・バックマンが、9月4~5日にスウェーデンのアンダーストープで開催されるSTCCカンジナビアン・ツーリングカー選手権の第4戦に、ブリンク・モータースポーツから参戦することがアナウンスされた。

 2019年以来のシリーズ復帰となる彼女は、ドライバー兼チーム共同創業者のトビアス・ブリンクとともに、2台目のアウディRS3 LMSのステアリングを握ることとなる。

 2021年はシリーズ初の女性ドライバーとしてWTCRへと挑戦し、先月24歳になったばかりのジェシカ・バックマンは、過去数シーズンにわたり兄のアンドレアスとともに各国のTCRカテゴリーで研鑽を積み、2018年にはウエストコースト・レーシングから初年度のTCR UKとともに、このSTCCにもフル参戦。 

 続く2019年にはターゲット・コンペティションとともに、ヒュンダイi30 N TCRでSTCC最終戦アンダーストープにスポット参戦し、最終ヒートで3位表彰台を獲得する活躍を演じていた。

「スウェーデンでの“復帰戦”は、なんだか再び良いレースになるだろうという気がしている。前回、表彰台を獲得したSTCCでのレースから2年が経ったけれど、私自身もドライバーとして大きく成長しているわけだしね」と、ひさびさのSTCC参戦に向け前向きな展望を語ったジェシカ。

「準備期間が非常に限られていたから、それはハードな挑戦になるでしょうけど、それこそ私がいつも楽しみにしていることよ」

■「チームとしても楽しみ」とブリンク・モータースポーツ
 そのジェシカがドライブする予定の初代アウディRS3 LMSは、チームが2022年シーズンに先駆けドライバー評価プログラムの一環として走らせているもので、約2週間前の8月21~22日にゲラーローゼン・アリーナで開催された第3戦では、ハンス・モーリンの後任としてシートを引き継いだ新鋭ケビン・エングマンが、最終ヒートで印象的なデビューウインを飾った個体となる。

「こうしてWTCRドライバーをチームに迎えることができて本当にうれしい。我々はジェシカが力強い進歩を見せてきた過去2年間、ヨーロッパでの彼女の動向を追ってきていたからね」と語るのは、ブリンク・モータースポーツのチームマネージャーであるテッド・ブリンク。

「もちろん、限られたテストと準備により週末は彼女のタスクを尊重していく必要があるが、我々はチームとして一緒に何が達成できるかを楽しみにしているよ」

 この第4戦に向けてもSTCCはシリーズ独自の成績別ウエイトの搭載量を発表しており、選手権首位を独走中のロバート・ダールグレン(クプラ・レオン・コンペティションTCR/PWRレーシング)は、3週連続で最多重量となる50kgのバラストを搭載。

 そのチームメイトを務めるミカエラ-アーリン・コチュリンスキー(クプラ・レオン・コンペティションTCR/PWRレーシング)も、前戦で2ヒート連続のワン・ツーフィニッシュを達成したリザルトを反映し、新たに45kgの重量が課されている。

 一方でランキング3位につけるブリンクは、第3戦から5kg軽減の40kgに。これでドライバー込みのミニマムウエイトが1315kgとなる代表の車両に対し、ゲスト参戦のジェシカ・バックマンは1275kgのアウディで戦うこととなる。