野村ホールディングスは9月1日、「就業時間内の全面禁煙」を発表した。実施は10月からで、リモートワーク中であっても喫煙禁止。グループの全社員が対象になる。喫煙室も12月末までに全廃する。
野村グループでは、昼休みなどの就業時間外に喫煙した場合、喫煙後45分間はオフィスに戻らないことを強く推奨していると、ブルームバーグは報じている。
自分の家でタバコ吸いながら仕事するのもダメ?
ネットでは「在宅でもNG」という点に、驚きの声も出ていた。確かに自宅で吸うなら同僚の迷惑にはならないし、監視するにも限界がありそうだ。ただ、「タバコ休憩」は生理的に必須なものでもないし、取る人と取らない人で不公平感も生まれやすい。勤務時間中にどこまでの「息抜き」を認めるかは、その企業文化によるところも大きいだろう。
就業時間内・全面禁煙の理由について、野村グループでは、受動喫煙防止や働きやすい環境づくり、社員の健康保持・増進といった観点からの施策だと説明。プレスリリースでは
「社員の能力や個性を十分に発揮するためには、すべての社員が健康でいきいきと過ごせる環境が必要」
と表明している。
なお、野村グループでは禁煙に成功した社員へのインセンティブ付与も実施予定で、同社健保では、社員の禁煙治療・サポート費用の全額補助をしているという。
こうした流れは、他社でも起きているようだ。NHKによると、同じような取り組みを「イオン」や「味の素」、「カルビー」もすでに行っているという。
分煙以前の職場では、タバコを吸いながらパソコンに向かう社員が大量にいたものだが、もう今は昔。唯一のオアシスだった喫煙所も撤去され「勤務中に堂々とタバコを吸う権利」は、もはや風前の灯火と言えそうだ。