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ル・マンであと1周に泣いたチームWRTが声明発表。41号車の“真のストップ原因”が明らかに

2021年09月01日 16:41  AUTOSPORT web

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ル・マン24時間レース初出場でのクラス優勝がファイナルラップでのストップという悲劇によって奪われたチームWRTの41号車オレカ07・ギブソン
8月21~22日にかけてフランス、サルト・サーキットで行われた第89回ル・マン24時間レースの最終盤、このレースを制したTOYOTA GAZOO Racngの7号車トヨタGR010ハイブリッドがファイナルラップに入った直後にその悲劇は起きた。激しいチーム内争いを経てLMP2クラスの優勝マシンになろうとしていた、チームWRTの41号車オレカ07・ギブソンが最終ラップにストップしたのだ。

 ロバート・クビサ、ルイ・デレトラズ、イーフェイ・イェという3名のドライバーによってシェアされ、長時間にわたってチームメイトの駆る31号車オレカ07・ギブソンとのトップ争いを繰り広げてきた41号車。レース終盤に優位に立った同車は、僚機とともにル・マン初出場のチームWRTにワン・ツー・フィニッシュをもたらそうとしていた。

 しかし、イェがステアリングを握る41号車はフィニッシュまで残り3分というタイミングで、ダンロップ・ブリッジ先のコース上で止まってしまう。

 その脇を通過していった31号車が、逆転優勝を狙った28号車オレカ07・ギブソン(JOTA)から辛くも逃げ切りクラス優勝を手にしたが、同じチームの41号車担当クルーたちにとってはあまりにも残酷な結末となった。

 この悲劇の元となったトラブルの原因について、チームWRTは当初「スロットルセンサーの故障」があったと伝えていた。だが、その後の調査の結果、最初の報告と事実が異なることが判明。チームはそのことを公式Twitterアカウント(@followWRT)で明らかにした。

 声明によると、チームWRTのメカニックがル・マンのレースウイーク明けの月曜日(8月23日)にパルクフェルメからクルマを回収した際、当該車両のスイッチを押すとすぐにエンジンが掛かり、健康的なサウンドが響いたという。このことはチームに衝撃を与える2度目のサプライズとなった。

 ベルギーのチームがさらなる調査を行うと、電気的なショートカットが原因で一時的にECUが誤作動を起こしていたことが分かった。

 一方、41号車オレカ07に搭載されていたギブソン製エンジンと、その他の補機類などは完璧な状態であり、燃料についても20リットル以上のガソリンが燃料タンク内に残されていたことが明かされている。