予選13番手のランス・ストロール(アストンマーティン)が、前戦ハンガリーGPでのペナルティによって5グリッド降格となり、予選17番手に終わった角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)のF1第12戦ベルギーGP決勝レースの最終グリッドは16番手となった。
さらに雨が降り続くなかで開始されたレコノサンスラップで、セルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)がコースアウトしてマシンをクラッシュ。フォーメーションラップに参加できなかったため、角田のポジションはまたひとつ上がって15番手となった。
しかし、雨脚が一向に弱まらないなかスタートが切られたフォーメーションラップは直後にスタート進行が中止となり、赤旗に。角田は15番目にピットレーンに帰ってきた。
「前がまったく見えませんでした。だから、あの判断は仕方がなかったと思います。前車の水しぶきでコーナーがどこにあるかも勘で走るような感じでしたから。前のクルマのテールランプも5m以上離れるとまったく見えなかったので仕方がないと思います」
そう語る角田は一旦コクピットを降り、次の案内までガレージで待機していた。
「軽くスナックを食べたり栄養補給しながら準備していました」という角田だが、再開までの中断はじつに2時間47分も費やすこととなった。
午後6時6分に、11分後にレースが再開されるというアナウンスが発表されると、その数分後に角田はガレージを出て、マシンに乗り込む。
午後6時17分にセーフティーカー先導でレースが再開され、角田は15番手でコントロールラインを通過するが、視界はさらにひどくなっていた。
「視界は最初と同じでまったく見えなかったですね。むしろ霧も混ざって、よけい見えにくくなっていたように感じました」(角田)
そのため、レースディレクターのマイケル・マシは再び赤旗を出し、全車ピットへ。角田は再び15番目にピットレーンに帰ってきた。
その直後、マシはコンディションが回復する見込みがないと判断し、レースを終了させた。それを聞いてコクピットを降りた角田のベルギーGPはピットレーンで幕を閉じることとなった。
レースを終えた角田は、FIAの判断は仕方がなかったと振り返った。
「雨自体はそこまでひどくなかったんですけど、視界が悪すぎました。(路面の雨量自体は)やれなくはなかったですが、とにかく前が見えなかった。オー・ルージュで前が見えないと視野が狭まって、とても危険な状況になりますから」
ポイント獲得はならなかったが、ベルギーGPの週末は多くのマシンが事故を起こしていたこと考えると、アクシデントを起こさずに3日間を乗り切ったことは評価したい。