2021年F1第12戦ベルギーGPは初日こそかろうじてドライ路面で走行できたが、それ以降天候が悪化。決勝日は大雨が降り続き、3時間近い赤旗中断を経て、セーフティカー先導で3周したまま終了した。そのため予選グリッドがほぼそのままレース結果として確定し、ポールシッターのマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)が優勝、ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)も6位入賞を果たした。
正面から戦うことなく終わってしまった今回のレースについて、ホンダF1田辺豊治テクニカルディレクターは、「何とも言えない部分は確かにある」としながらも、「予選できちんと結果を出したことが、レースにも繋がってポイントを獲得できた」と、どんな状況でもベストを尽くす重要性を強調していた。
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──1周もレースをしないまま、ベルギーGPは終わってしまいました。
田辺豊治テクニカルディレクター(以下、田辺TD):決勝当日は朝からずっと雨で、いわゆるスパウェザーでどうなるかというよりも、ひたすら雨が降り続けた1日でした。そのため、15時のレーススタート予定が延期を繰り返し、セーフティカー先導で走ったものの赤旗中断。再び3周を終えたところで最終的にレース中止となりました。
今まで経験したことのないレースの終わり方でしたが、そんななかでポールポジション獲得のマックス・フェルスタッペンがそのまま優勝を飾りました。ピエール・ガスリーも6位。セルジオ・ペレスはレコノサンスラップでクルマを壊してしまいましたが、レース中断中にメカニックたちが必死に修理に当たり、ポイントは獲得できなかったもののレースに合流できました。ということで両チームともにポイント獲得ができ、両選手権でも首位との差を縮めることができました。
──3時間近い中断のあいだ、パワーユニット側は何かできることはあったのでしょうか? あるいは待つしかなかったのでしょうか?
田辺TD:パルクフェルメ状態なので基本的には何もできません。ただ、いつスタートが切られてもいいように、エンジンの温度を見ながら時々暖気運転をしていました。言い換えると、それしかできませんでした。
──夏休み前の2戦は不運が重なり、レースらしいレースができずに終わっています。今回も予選・決勝ともに、雨に見舞われました。何となく不透明なまま終わった印象なのか。あるいは後半戦に向けて、手応えのつかめた1戦だったのでしょうか?
田辺TD:予選もトリッキーな状況でしたので、何とも言えない部分は確かにあります。しかし、そんな状況でもマックスはきちんとポールポジションを獲得し、ガスリーも6番グリッドを獲得しました。
それがレース結果にも繋がってポイントを獲得できたわけで、そこは素直によかったと思います。この先もいろいろなことはあるはすですが、最善を尽くすしかないと改めて思わされた週末でした。
──3連戦2戦目となる次戦のオランダGPはほぼ未知のサーキットでの開催となりますが、パワーユニットの準備としては具体的にどんなことをしているのでしょうか?
田辺TD:立て続けの開催となりますが、パワーユニット側の準備としてはサーキットデータとチームのシミュレーション結果をもとに、パワーユニットのセッティング出しをしています。まだ詳細部分の整合はできていないので、さらなる準備を進めていきます。