元F1ドライバー、ファン・パブロ・モントーヤの息子であるセバスチャン・モントーヤが、WEC世界耐久選手権のルーキーテストに参加することが決まり、父が所属するドラゴンスピード・USAのLMP2マシンで初めてプロトタイプカーをドライブすることになった。
16歳のセバスチャンは現在、プレマ・パワーチームからイタリアF4選手権に参戦中。彼は今年11月にバーレーンで行われるシリーズ恒例のルーキーテストで、アメリカチームのオレカ07・ギブソンを走らせる予定だ。
同チームにはインディ500を2度制し、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権ではシリーズチャンピオンを獲得したモントーヤがドライビングクルーとして在籍している。チーム代表のエルトン・ジュリアンによれば、セバスチャンのテストに関して彼の父親のチーム内でのポジションとは直接関係がないという。
「ジャンプをして『父がここにいる』と言うのは簡単だ。しかし、それだけではない」とジュリアンはSportscar365に語った。
「第一印象は重要であり、彼がファン・パブロの息子として私たちの現場に足を踏み入れた瞬間からそれを感じ取ることができた。彼は自分のことをよく考えており、本当に成熟している。自分のやりたいことに集中しているんだ。そして爽やかだ」
「彼はまた、サーキットでも優れたパフォーマンスを見せており、イタリアF4というもっともタフな選手権のひとつを戦っている」
「だからレベルは高いところにあると思う。そしてルーキーテストというのは、それが最初のステップになるんだ」
ジュリアンはこの2世ドライバーに才能を見出しており、LMP2カーのステアリングを握って何ができるのかを楽しみにしていると言う。
セバスチャンは現在、プレマ・パワーチームの一員としてイタリアF4でランキング3位につけている。
「明らかに彼はよく鍛えられているだろう。それは言うまでもない」とジュリアン。
「私は最初から彼のことが気に入った。クルーも彼のことを気に入っているし、彼は自分が何をしているのか知っている。彼がどこで、どのように育ったのかが分かるんだ。レースに臨む姿勢はとても純粋だ。家族はすべてを受け入れている。本当にクールだよ」
ジュリアンはいまのところ、テスト期間中に他のドライバーを乗せる予定はないと言う。つまり、新進気鋭のドライバーに最大限のトラックタイムが与えられることになる。
「彼には時間をかけて(乗って)ほしいと思っている」と同氏。
「それは大きなチャンスであり、大きなクルマだ。とはいえ、それはもう重要ではないかもしれない。最近の若いドライバーたちは、どんなクルマにも飛び乗ることができるからね」
ドラゴンスピードは11月7日のWECルーキーテストに向け、参加ドライバーを正式に発表した最初のチームだが、既報のとおり、ハイパーカークラスを戦うTOYOTA GAZOO Racingでは7度のWRC世界ラリー選手権王者セバスチャン・オジエを起用する可能性がある。