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レッドブル・ホンダ密着:ペレス車の修復を完了するもレースはわずか3周の戦いに。ハーフポイントで選手権は僅差のまま

2021年08月30日 15:31  AUTOSPORT web

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2021年F1第12戦ベルギーGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
レッドブル・ホンダにとっての2021年F1第12戦ベルギーGP決勝レースの戦いは、スタート前から始まった。

 朝から雨が降り続き、ウエットコンディションのなか、午後2時20分にピットレーンがオープンになると、ドライバーたちはマシンをガレージからグリッドへ向かわせるためのレコノサンスラップを開始した。ここでセルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)がケメル・ストレートの先にあるターン6でコントロールを失い、バリアへとクラッシュ。右フロントサスペンションを破損したため、グリッドに並べず、ベルギーGPはペレスを除く19台で開始されようとしていた。

 ところが、雨は収まる気配がなく、午後3時に予定していたスタートは何度も延期となる。予定より25分遅れて、ようやくフォーメーションラップがスタートしたものの、コース上の水が多く、全車が巻き上げる水しぶきで視界が確保できないことから、スタート進行が中止となり、直後の午後3時30分に赤旗が出される。そのため、ポールポジションからフォーメーションラップをスタートしたマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)は、セーフティーカーに先導されてピットに帰ってきた。

 その後も雨脚が弱まらず、約3時間の中断を経てレースは午後6時17分に再開。レッドブル・ホンダはこの中断の間にペレスのマシンの修復を完了し、セーフティーカー先導で再開したレースに最後尾から参加。

  しかし、視界不良という悪コンディションは回復しておらず、レースはセーフティーカー先導で3周走った後に再び赤旗となり、全車ピットレーンへ。

 その後、コンディションの回復が見込めないと判断したFIAは、レースの再開を断念。ラップリーダーのフェルスタッペンが2周を消化したことから、レースは成立。規定によって入賞者の獲得ポイントは半分となり、フェルスタッペンは12.5ポイントを得ることになった。

 レース後、フェルスタッペンは「もしかしたら、15時30分のほうがコンディションがよかったので、すぐに再開していればレースはできたかもしれない」と語ったが、ラップリーダーのフェルスタッペンはセーフティーカーからの水しぶきしか浴びていない。これに対して、後方のドライバーたちはF1マシンが跳ね上げる大量の水しぶきを浴びて、視界が著しく悪い状態だった。

 フェルスタッペンもそのことは理解しており、FIAの判断は尊重している。そして、最後にこう語った。

「冷たい風雨の中で一日中待ってくれたファンのみなさんを称えたい。こんなコンディションでじっと待っているのは本当に大変だったと思うので、心から感謝しています。今日の真の勝者は観客のみなさんです」