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我慢がほぐれてラクになる「ワーママのモヤモヤ整理ノート術」

2021年08月29日 15:41  マイナビニュース

マイナビニュース

画像提供:マイナビニュース
●モヤモヤしてしまうワーママの共通点
連載「ワーママのモヤモヤ整理します」は、託児付きランチサービス「ここるく」の経営者であり、大手企業の社外取締役としてもダイバーシティを確保するための人材育成・環境整備などに取り組む山下真実さんが、ワーママが抱えるモヤモヤに寄り添い、気持ちを整理していく企画です。

今回は「連載の相談者さんだけでなく、多くの読者の皆様のモヤモヤもスッキリさせることができたら」との思いから、山下さんがモヤモヤしがちなワーキングマザーに向けたノート術を開発。自分を認め、自分に向き合い、前向きに明日を踏み出せるノートの活用法を伝授していただきます。
○無意識のうちに"私が我慢すればいいや"と思っていませんか?

これまでお話を聞いてきた17人の相談者さんのモヤモヤ、全部に共通点があったわけではありませんが、多くの相談者さんに共通するなと感じたのが「"私が我慢すればまるくおさまる"と思って対処してきたけれど、モヤモヤが抑えきれない」という点です。

「今の仕事は希望の仕事ではないけれど安定していて働きやすい。転職したい気持ちもあるが、自分さえ我慢すれば家族との生活は安泰なので決めきれない」「自分より稼ぎのいい夫に子育てを任せてスキルアップの時間をとるのはワガママなのではないか」「本当は週末に自分の時間が欲しいけれど、家族と一緒に過ごしたい子どもや夫の気持ちを考えると言い出せない」……。

そんな風に"自分がやりたいことを犠牲にして家庭を大事にしなければいけない"という感覚を持っていらっしゃる方が多いと感じています。

この感覚を持っていることで、表面上は物事がうまく進んでいくかもしれません。しかし無意識のうちに自分のやりたいことを見なくなっていきますし、誰に言われたわけでもないのに"やめておこう"と自分で自分に制約をつける癖がついてしまいがちです。

今回は、自分に向き合う時間を作り、自分ができていること、自分のやりたいことに向き合ってもらいたくて、ノート術を考えました。

●「ワーママのモヤモヤ整理ノート術」とは?
○自分ができていること、やりたいことを見える化しよう

ノートを開いたら、まず初めに「毎日」「週ごと」「月ごと」「数ヶ月ごと」「年ごと」に分けて、自分ができていることを黒いペンで書き出します。夕食作り、お風呂、洗濯など当たり前のようにやっていることからほんの些細なことでもOK。「意外と自分ってこんなにたくさんのことをやっているんだ」とまずは気づいてほしいと思います。

それが終わったら、項目ごとに「今できていないがやりたいこと」を好きな色のペンで書き出してみてください。他の人にノートを見せる必要はないので、ちょっとこそばゆいなぁと思うようなことを書いてもいいです。

そして最後に、やりたいことを実現させる方法を考えます。

例えば「毎日筋トレ・ストレッチをしたい」と思ったら、それを実現している姿をイメージしながら(例えば、寝る前に10分、子どもに邪魔されずリラックスした状態で行う)それを可能にするためにはお風呂に早く入り、下の子に邪魔をしないようにお願いし、ヨガマットを用意する必要があるなと考える……といった具合です。

所要時間はどれくらいか、いつ・どんな風にすれば出来そうか、実行するために必要なことは何か、助けてくれる協力者や事前に用意しておくものはあるか……下の表のように書き出してみましょう。

子どもが生まれると、家事・仕事以外の時間は自由だった生活に育児が加わります。その結果、産前通りに家事や仕事ができなくなってしまいます。時間には限りがあるため当たり前のことなのですが、多くのワーキングマザーは「できないこと」「できなくなってしまったこと」にばかり目が向きがちです。そしてできない自分に対して、ものすごくマイナス評価をしてしまっています。

このノート術では、すべてを今まで通り100%では出来ない状況で「できていること」に目を向けて加点評価をしていってほしいと思います。

もしかしたら、やりたいことに関しては出てこない、書き出すことができないという方がいらっしゃるかもしれません。でも、大丈夫です。「やりたいことが出てこない」という事実、"どうせやりたいことがあっても実現できないだろう"と諦め癖がついていることに気づけたことが第一歩!

まずは一つからでもアクションプランに沿って実現していく中で、自分は何が好きで、何が得意だったか、少しずつ思い出していって、やりたいことが次々と出てくるようになると思いますよ。

●モヤモヤは本音に蓋をすることから生まれる
○ワーママにとっての"ノート術"の意義

モヤモヤというのは「本当は自分はこうしたい」という本音を見ないように、聞こえないように蓋をしている状態から生まれると感じています。必死で蓋をしているのだけれど、実は無意識のうちにその蓋の中のことを考え続けているから、モヤモヤしてしまう。今回のノート術では、心の蓋を開けて、中身を見る作業をしてほしいと思っています。

自分ができていること、やりたいと思っていることを洗い出し、やりたいことに関してはアクションプランを考えて実現のためのとっかかりを作る。そうすることで、頭の中で堂々巡りしていた本音や課題が明確になって、モヤモヤするのではなく、解決に向けて考えることができるようになります。

仕事と子育てに時間を奪われがちなワーママ期は、ただ待っていても自分と向き合う時間は訪れてくれません。ノートを広げてペンを動かすためには、意図的に1人でリラックスできる時間と場所を確保することが必要です。そんな時間ができるだけでも、ノート術の活用は、ワーママにとって有効だと感じています。

○山下真実

株式会社ここるく 代表取締役・社会起業家・2児の母。
米国留学によるMBA取得、米系投資銀行・金融コンサルを経て、ママになったことをきっかけに子育て支援という全くの新領域へ。人気レストランから選べる託児付きランチサービス「ここるく」を2013年にスタート。サービスを通じて集まる働くママのインサイトと、MBA・コンサルで得た専門知識の両面から、ママ向けサービス開発や育休復帰・働き方改革コンサルティングなども手掛ける。『第14回女性起業家大賞』、三菱UFJ銀行主催『Rise Up Festa』最優秀賞受賞。

○比恵島由理子

イラストレーター、2児の母。早稲田大学を卒業後、一般企業に就職するもデザインの道を志し、東京デザイン専門学校で学ぶ。編集制作プロダクションで実用書を中心とした書籍編集・イラスト制作を経験した後に独立。現在はWebメディア向けに活動中。自身の出産体験や子育てについてnoteに掲載している。(山下真実)