「前半戦を振り返って、自己採点をするとしたら、100点満点で何点ぐらい?」と尋ねると、角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)は「40点ぐらいですかね」と答えた。そして、その理由を次のように続けた。
「僕が予想していたシーズンよりは悪かったからです。ただ、経験するという意味ではいろいろな経験ができたので、これからは同じような経験をしないようにするだけです」
ただし、自分の力を100%出しきれていないとも語った。
「まだ、完全にクルマをコントロールしきれていないので、自分の力を出し切っているという感覚はないんです。前半戦の最後の方のレースでは、ある程度力を出せていると思いますが、まだ一発のタイムを出すときにはクルマを完全にコントロールしているという感覚がないんです。これはとにかく周回を重ねるしかないと思っています。できるだけ周回を重ねて、少しでも早くF3やF2の感覚に戻れるようにしたい」
そのために、角田はハンガリーGPが終了した後、イタリアへ戻らず夏休みに入る前にイギリスにあるレッドブルのシミュレーターに乗って、さまざまなテストとトレーニングを行った。
こうして迎えた後半戦初戦のベルギーGP。初日から天候が目まぐるしく変わるスパ・ウェザーに見舞われ、クラッシュするドライバーもいるなか、角田はスピンこそしたものの、マシンにダメージを与えたり、プログラムを中断するようなミスを犯すことなく、フリー走行1回目は19周、2回目も17周を走行した。
角田にとって、スパはいい思い出があるサーキット。FIA-F3ではシーズン初の表彰台登壇を果たし、FIA-F2へステップアップするラストチャンスをものにした。昨年のF2ではポールポジションを獲得して、フィーチャーレース(レース1)で優勝を果たし、スーパーライセンス獲得へ向けて大きく前進した場所だ。
ベルギーGP初日、姉妹チームのレッドブルがセルジオ・ペレスの残留を発表した。角田にとって今年のベルギーGPがF1残留のかかった大切な一戦になることは間違いない。